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日経平均に春の嵐。2万円の攻防を乗り切れるか?カギは2つの「距離感」
土信田 雅之
テクニカル風林火山
テクニカルアナリストの土信田雅之が、マーケットスピードを用いたテクニカルな視点で国内株式市場の動向を読み解いていきます。

日経平均に春の嵐。2万円の攻防を乗り切れるか?カギは2つの「距離感」

2018/3/26
・3月23日(金)の日経平均終値は2万607円。週間ベースでは3週ぶりの下落、前週末の終値からの下落幅は1,000円超
・米国の保護主義的な経済政策スタンスに対する警戒感が現実味を帯び始めたことで吹き始めた「春の嵐」に、株式市場が動揺
・今後の日経平均は、「2万円までの距離」と「線形回帰トレンド復帰までの距離」の二つの距離感が意識される展開に
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 祝日を挟んで4日間の取引となった先週の国内株市場ですが、週末3月23日(金)の日経平均終値は2万607円でした。週間ベースでは3週ぶりの下落に転じたわけですが、前週末の終値(2万1,676円)からの下落幅は1,000円を超えています。

 これまで燻っていた米国の保護主義的な経済政策スタンスに対する警戒感が、米中の貿易規制合戦へと現実味を帯び始めたことで吹き始めた「春の嵐」に、株式市場が動揺している様子がうかがえます。

 この局面を乗り切るための判断はかなり難しい状況ですが、何はともあれ、まずは日経平均のチャートで足元の状況を整理してみます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2018年3月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 上の図1を眺めてみて真っ先に目に飛び込んで来るのは、何と言っても週末3月23日(金)のローソク足が描いた大きな陰線です。

 この日は、「窓」空けで下落し、これまでサポートとして意識されてきた200日移動平均線や節目の2万1,000円台も大きく下抜けていて、一気に相場のムードが悪化することになりました。また、ローソク足の実体の長さは一般的に相場の勢いを示しますが、この日の陰線の長さは571円でした。2月の株価急落時(2月6日)の陰線の長さ(657円)には及ばないものの、かなりの下げの勢いだったことがわかります。

 さらに、前日の22日(木)まで想定されていた、「200日移動平均線を意識しつつ、トリプルボトムが形成されて、株価が戻りを試す」というシナリオが、翌23日(金)に出現した大きな陰線によって台無しとなっています。

 つまり、サポートの目安を次々と下抜けてしまい、株価の底打ちパターンも崩れてしまったことで、目先の下値目安が節目の2万円だけになりました。週末の日経平均先物(大証・CME)の終値はそれぞれ、2万140円、2万155円でしたので、2万円までの距離が意外とありません。

 現在は配当金が含まれている分、先物の価格よりも現物のほうが高い状況になっていますが、権利落ち日となる今週28日(水)からは、現物の価格が先物の価格にサヤ寄せされます。26日(月)と27日(火)の取引で日経平均がどこまで粘り腰を見せられるかが注目されます。

 また、少し長めの日経平均の日足チャートも見てみます。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2018年3月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 上の図2の右側は、前回も紹介した扇形トレンドを記載しています。描かれているトレンドライン(1)と(2)は、日経平均が直近で高値をつけた1月23日を起点にして、戻り高値をつけた日の2月19日と2月27日を結んだものです。

 このトレンドラインと日経平均の位置関係によって、想定される値動きのゾーンをざっくりと掴んでいくわけですが、これまでの日経平均はトレンドライン(2)を挟んでのもみ合いが続き、様子見が強い印象になっていました。前回のレポートのタイトルが「日経平均が奏でるトレンド線上のアリア」と名付けたのはそのためです。ただ、先週末の下落によって、今後は(2)と(1)との範囲内が想定レンジとなる可能性が高くなってきました。となると、やはりここでも「2万円割れ」が意識されることになります。

 とはいえ、図2の左側に視点を移すと、2万円の水準は昨年の夏場にかけて数カ月間もみ合っていたことがわかります。その分だけ売買に厚みのある価格帯であることを意味するため、2万円が防衛ラインとして機能する支援材料になります。

 また、最後に週足チャートで中長期的なトレンドを確認してみます。

■(図3)日経平均(週足)と線形回帰トレンド(2018年3月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成

 

 上の図3は、週足の日経平均が底打ちから上昇トレンドを描き始めた2016年6月下旬を起点とした「線形回帰トレンド」です。線形回帰トレンドとは一定期間の値動きを一次関数の考え方を用いて表現する統計学的なテクニカル指標です。そして、この中心線を挟んで上下平行にそれぞれ1σ(シグマ)と2σの線を引きます。厳密には違いますが、ボリンジャーバンドの直線版と思っていただければ、ここでは大丈夫です。

 実際に、2016年6月下旬より日経平均は中長期的に上昇トレンドを描いてきたことがわかります。また、値動きの下限となるマイナス2σは52週移動平均線とほぼ同じ動きとなっていましたが、足元の株価はこのマイナス2σをトレンドが始まって以来、初めて下抜けてしまった状況です。そのため、これまでの上昇基調に戻すには早い段階で少なくともマイナス2σまでの水準に戻す必要があり、その水準は現時点で21,500円台〜21,600台になります。先週末終値からは1,000円近くの距離があります。

 したがって、今後の日経平均は、「2万円までの距離」と「線形回帰トレンド復帰までの距離」の二つの距離感が意識される展開になりそうです。

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