トランプ大統領、北朝鮮の金正恩労働党委員長との会談を即決
3月8日、またまた世界を驚かすニュースが米国から伝わってきました。トランプ大統領と面会した韓国特使が、北朝鮮の金正恩労働党委員長がトランプ大統領と可能な限り早い時期に会いたいとの要請を口頭で伝えたところ、トランプ大統領は「よし、会うぞ」と即答したとのことでした。あまりの即答ぶりに米国側の高官も、韓国特使たちも顔を見合わせて驚いた様子だったと第一報は伝えてきています。
マーケットの見方もトランプ大統領が即答で会談する意向を表明したことに対して、驚きと一定の評価を与えたようです。初の米朝首脳会談が実現するかもしれないとの期待からドル/円は円安に反応しました。しかし、会談そのものの実現性もまだわからず、実現しても具体的な交渉内容も不透明なことから、円安は長くは続きませんでした。
いつものトランプ流の交渉術と違った?
報道から数日経って、今回の「即答」はトランプ流のいつものやり方ではないということがわかってきました。トランプ流の交渉術は、最初は大きく花火をぶち上げておいて相手からの譲歩を引き出すというのがこれまでのやり方でしたが、今回は事前に把握していたから即答したということが後でわかってきました。
3月9日、ティラーソン米国務長官が、国連ルートなどを通じて、北朝鮮と接触を続けてきたことを示唆しました。また3月10日のニューヨーク・タイムズ電子版によると、トランプ大統領の即答について「会談要請はまったく驚きではなかった。情報機関から事前に報告を受けていたからだ」とする米政府当局者の話を伝えています。
CIA(米国中央情報局)など米国の情報機関が活発に動き、トランプ大統領の政策決定で重要な役割を担っているようです。トランプ大統領は情報機関からの報告を基に会談要請の対応を決め、韓国特使との面会に合わせて受諾を表明したとのことです。
韓国特使との面会には、米国の複数の情報機関を統括するコーツ国家情報腸管も同席していました。ピョンチャン・オリンピックでペンス副大統領と金正恩の妹との会談も、実現はしませんでしたが、CIAが介在していたようです。また、ティラーソン国務長官が辞任し、その後任がポンペオCIA長官となる背景のひとつとして今回の出来事があるのかもしれません。
会談実現の裏に、CIAの関与と北朝鮮の大きな譲歩があった
3月11日の報道では、会談する条件も含め、かなり水面下でCIAが活動していたことがわかりました。CIAのポンペオ長官は、11日のCBSテレビのインタビューで、北朝鮮側に「(1)非核化の意思表示、(2)核実験の停止、(3)弾道ミサイル発射の停止、(4)米韓合同軍事演習の容認という4の約束を守るならば、大統領は会談する十分な用意がある」と伝えていたことを明らかにしました。北朝鮮が会談を要請したということは、この北朝鮮にとって「大きな譲歩」をのんだということになります。同日の米FOXニュースのインタビューではポンペオCIA長官は「大統領はこの会談を見世物にするつもりはない。問題を解決するつもりだ」と述べ、トランプ大統領が核・ミサイル問題で突っ込んだ議論をするとの見通しを示しました。
トランプ大統領もツイッターに「北朝鮮との『取引(deal)』が進行中だ。成立すれば、世界にとって非常によいものとなるだろう。我々は並外れた成功を収めるだろう」と、今回のdealの意気込みを書き込んでいます。
トランプ大統領の取引への自信と意気込みはわかりますが、しかし、緊張を高めた後、対話に転じ、見返りを求めるのは北朝鮮の常套手段ということを米国はもちろん、国際社会は知っています。「核放棄」などの約束を何度も破り、北朝鮮は裏切りの歴史を作ってきました。このことが、ビッグニュースにもかかわらず、マーケットが楽観的になれない理由であり、北朝鮮リスクが後退し、円安があまり進行しない理由だと思われます。今回も同じような結末になるのでしょうか。
再び北朝鮮リスクが、しかも円安要因として加わってくるかも
今回の出来事について「非核化協議には応じない」と、かたくなな態度をとってきた北朝鮮側が大きく譲歩してきたことは驚きです。ティラーソン国務長官も北朝鮮が「かなり劇的に変化し、正直なところ少々驚いている」と述べています。これ以外にも、会談要請を即答したこと、即答には情報機関を使って事前準備をしていたこと、北朝鮮側が大きく譲歩したにもかかわらず米国の譲歩はゼロであること、中国もサプライズであったことなど驚く点が多くあります。また、両者ともトップダウンで物事を決める政治手法であるため、非核化へのロードマップが実現する可能性が従来よりも高まるとのシナリオも加えておいたほうがよいかもしれません。(1)会談が実現し、(2)トップ同士が大きな枠組みで合意し、(3)実務者レベルで具体的な対応を検討していくという、(1)、(2)、(3)の段階ごとに一歩前進が確認できれば、その段階ごとに株高、円安に反応するかもしれません。5月の開催時期が近づくにつれて反応度が高まってくるかもしれません。もちろん、交渉決裂となれば、円高に反応します。そして、サプライズシナリオも想定しておいたほうがよいかもしれません。サプライズシナリオは交渉決裂ではなく、融和が進み、在韓米軍の縮小もしくは撤退のシナリオです。このサプライズは悪い円安という反応になるかもしれません。
昨年11月以来、北朝鮮からのミサイル発射がないことから北朝鮮リスク(円高要因)は後退していました。現在のドル/円は、米国の保護主義(円高要因)と米インフレ懸念と利上げペース(円安要因)の要因による綱引き相場となっていますが、再び北朝鮮リスクが、しかも円安要因として加わってくるという構図になってくるかもしれません。




















































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