アッヴィについて

 アッヴィ(ティッカーシンボル:ABBV)はアボット・ラボラトリーズの薬品部門が2012年にスピンオフして独立した会社です。

 ヒュミラは世界初のヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤です。関節リウマチ、尋常性乾癬および関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、腸管型ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、非感染性ぶどう膜炎などに使用されています。患者が自分で皮下注射できるようになっているため、通院回数を減らすメリットがあります。ヒュミラは世界最大級の売上規模を誇っている超大型薬です。米国におけるヒュミラのパテントは2016年12月に切れています。また欧州では2018年10月に切れる予定です。しかしヒュミラはバイオテクノロジーによって作られている薬なので簡単にコピーすることはできないと言われています。ヒュミラはアッヴィの売上高の65%を占めている関係で、同薬の売上が減速するとアッヴィの業績も減速は避けられないと予想されます。

 イムブルビカは再発または難治性の慢性リンパ性白血病の治療薬です。マントル細胞リンパ腫、ワルデンストレーム・マクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫などにも投与されます。パテント切れは2031年です。

 

 2017年にかけてヒュミラは前年比+14.6%で、イムブルビカは+40.5%で成長しました。アッヴィはこれらの他にもC型肝炎治療薬ヴィキラ・パックなどを展開しています。

 アッヴィの業績は薬品株のグループの中では最も安定的に成長しています。同社製品のグロスマージンは75%と高いため、収益性も極めて健全です。2017年の営業キャッシュフロー・マージンは35%あります。

 

 同社の2017年第4四半期決算はEPSが予想$1.43に対し$1.48、売上高が予想75.3億ドルに対し77.4億ドル、売上高成長率は前年同期比+13.9%でした。

 2018年のEPSは予想$6.66に対し、新ガイダンス$7.33~7.43が提示されました。売上高は予想311億ドルに対し、新ガイダンス320億ドルが提示されました。