「伝棋」や日系ブランドの好調で18年は出足好調、前年比15%の販売増を予想

現地コード 銘柄名
02238

広州汽車集団股フン有限公司

(グァンジョウ・オートモービル)
株価 情報種類
 17.50HKD
(2/5現在)
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 広州汽車集団(GAC)の2018年の出足は好調で、1月の月間販売台数は前年同月比25.1%増の21万151台と業界平均を上回る伸びを記録した。自主ブランド「伝棋」(Trumpchi)や日系合弁ブランド車の前月からの成約持ち越し分を計上したことや、前年同月実績の低さなども寄与した。BOCIは同社の18年の販売台数について前年比15%強の伸びを見込む。一方、同社の17年の四半期決算は上下の振れ幅が大きかったとし、18年1-3月期には費用の繰延計上に起因する前年同期実績の高さが、利益成長の重石となる可能性を指摘している。ただ、経営陣が四半期ごとのぶれを修正する方針を示したこともあり、4-6月期以降は再び、利益成長局面を回復するとの見方。18年の利益見通しの明確さに言及した上で、目標株価を据え置き、強気見通しを継続した。

 1月には「伝棋」および日系ブランドの好調が、フィアット・クライスラーとの合弁会社の低迷を十二分にカバーした。18年の販売目標は前年比で10%弱の増加率だが、BOCIはこの目標がかなり保守的であるとし、同15%増との予測を据え置いている。

 合弁会社を個別に見ると、広汽トヨタの卸売台数は前年実績の高さを受け、1月に前年同月比0.5%微増(4万5591台)にとどまったが、旺盛なユーザー需要を背景に小売販売台数は同21.5%増の4万8788台に達した。BOCIは強力なニューモデルの登場を理由に、広汽トヨタの18年の売れ行きを楽観し、通年で50万-52万台に達するとみている。経営陣によれば、17年11月末にフルモデルチェンジした「凱美瑞」(カムリ)の受注台数は1月初めに3万台を突破するなど予想以上に好調。今後は18年半ばにも、日米で好反応を得たコンパクトSUV「C-HR」を投入する予定という。一方、広汽ホンダ、広汽三菱の販売台数は1月に前年同月比38.4%増、96.0%増。18年通年の両合弁会社の販売台数について、BOCIは前年比7-10%の伸びを見込む。

 一方、独自開発ブランド「伝棋」の販売台数は1月に前年同月比32.3%増の6万1231台に達した。18年には「GS3」や大型モデル「GS7」「GS8」「GM8」が販売増に寄与する見込み。さらに有力ネット企業テンセント(00700)のAIシステム「iSpace」を搭載した「GS4」のニューモデルが4月に登場する予定。BOCIは18年の「伝棋」の販売台数が前年比30%以上増加し、67万台に達するとみている。

 1月に唯一、売り上げを落としたのはフィアット・クライスラーとの合弁ブランド(前年同月比10.6%減)。BOCIはニューモデルの投入が4-6月期になることなどから、18年通年の販売目標23万台を達成できるかやや疑問視している。

 BOCIは17-19年の予想純利益を104億元、122億元、132億元に据え置いた。利益成長見通しの明確さなどを理由に、同社の株価(18年予想PER8.4倍)の先行きに対して強気見通しを継続している。