(指標)日経平均

  世界的な金余りの中で、日米株は一方的な上昇が続いていました。しかし2月5日、6日に大きく急落しました。金融緩和が株価上昇の背景にありましたが、先週末の1月雇用統計の強い結果を受け、長期金利が2.8%台へ上昇し、2018年度の利上げ回数が年3回から4回へと利上げペースが加速する見通しとなったことで、金融緩和はいったん終わったとの見方から、売りが売りを呼ぶ展開となり、昨日のNYダウは、一時▲1,597ドルの2万3,923ドルまで下落しました。

 2月6日の日経平均株価は、前場は▲415円の2万2,267円で寄り付くものの、昨日のシカゴの日経先物は▲1,245円の2万1,405円となっていたことで、下げ幅を拡大し、前引けは▲1,194円の2万1,481円となりました。後場になると円高に加え時間外での米株式先物が大幅安となっていることで、さらに下げ幅を拡大し▲1,604円の2万1,078円まで下げて、大引けは▲1,071円の2万1,610円となりました。

  今週の予測の中で、1つのシナリオとしてトランプ相場の始まりを基点にして、直近のピークまでの上昇幅の3分の1押しを目指すとしました。つまり

上下動して3分の1押しを目指すとしましたが、急落して一気に3分の1水準まで暴落しました。

 これまでは、日経平均が上昇してきたといっても株式市場全体が底上げしてきたのではなく、インデックスに絡んだ指数に影響を与える値ガサ株が中心の上昇相場でした。ファーストリテイリングに代表するような値ガサ株が日経平均の指数を引っ張っており、昨年の記事でも、このような値ガサ株による急上昇は、それが止まるキッカケ次第で今度は値ガサ株中心の急落相場になるので注意が必要だとしました。ただし、3分の1押しを目指すにしろ、上下動してと思っていましたが、NYダウの急落に連動して一気に下落となりました。

 反発するところはどこなのか、といっても日経平均だけでは、自律反発できませんのでNYダウの下げ止まりを待つということになります。

  トランプ相場をスタートとする上昇相場の3分の1押しという数字に対して、昨日のNYダウは2万3,923ドルまで下げ、3分の1押し水準の2万3,705ドルまで、あと200ドル強まで接近というところにきました。ただし、時間外では到達して、さらに下げています。

 日経平均は、前場は3分の1押しの2万1,457円に近い2万1,487円とほぼ到達しましたが、後場になると時間外取引でアメリカ株式の下げを織り込む形で2万1,000円台まで下落し、終値は▲1,071円の2万1,610円となりました。

 この水準でいったん反発してもおかしくありませんが、それは上述したように米国株式次第となります。もう一段下があるとすれば、すぐ下に38.2%押しというのがあり、その下は2分の1押しがあります。

 

※2月6日の日経平均の動きは、ザラ場では38.2%押し(2万1,067円)とほぼ近い2万1,078円まで下げて終値は2万1,610円とほぼ3分の1押し水準で引けました。NYダウは、時間外では38.2%押し水準をつけています。
可能性としては、目先、下値をつけたかもしれません。そうだとすれば明日は自律反発も考えられますが(NYダウが反発した場合)自律反発のあとは、再び今回の安値に対する2番底の動きが出てくるのがふつうですので、買い損なった人は、反発後の下げを待つスタンスとなります。さらに下げるとしても2分の1押し水準がいいところだと思われます。