前日(12月19日)の市場概況

ドル/円:一時113円台

 この日のドル/円は、欧州時間まで112.60円前後で狭いレンジ取引を続けた後、NY時間になって、米長期金利の上昇を背景に113.07円まで上昇しました。先週13日以来の113円台に乗せましたが、滞空時間は短く再び112円台へ。終値は112.884円(前日比+0.346円)でした。

 米国の減税法案は下院を通過し、上院でも可決が確実視されています。今夜にも成立する公算が大きいのですが、マーケットはすでに織り込み済みで、ドル/円の反応は限定的でした。(チャート1)

 日銀は今日から金融政策決定会合を開き、終了後の明日、政策金利を発表します。日銀は現状維持の方針で、政策金利を-0.1%に据え置き、YCC(長短金利操作、イールドカーブコントロール)政策を継続するとみられます。

 また明日、7-9月期の米国GDP(国内総生産)の確定値が発表されます。改定値から変わらず前期比年率3.3%の予想。前回は改定値が予想比上振れしたことが円安に動くきっかけとなったので、注意が必要です。

 

 

ユーロ/ドル:堅調

 ユーロ/ドルは、今週月曜日につけた1.1737ドルで底値を固めて、この日は1.1848ドルまで上昇。ECB(欧州中央銀行)会合後の下落分をほぼ取り戻しました。ECB理事が緩和縮小の早期完了と利上げを求める意見が出ていることが理由。

 また明日はスペインのカタルーニャ州議会選挙が行われますが、議席を巡って独立支持派と反対派が拮抗しています。(チャート2)

 

 

ユーロ/円:134円に接近。日欧金利差を意識

 ドル/円とユーロ/ドルに持ち上げられたユーロ/円は、ECB会合後の高値(113.75円)を更新する113.91円まで上昇。(チャート3)

 

 

NZドル/ドル:0.70ドル台の売りに押される

 NZドルは、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)の新総裁が決まったことや、NZ財務省の為替水準コメントに支えられていましたが、0.70ドル台は重い状況。今朝発表された11月の貿易収支の赤字幅が拡大したこともあって、1週間ぶりの安値をつけています。(チャート4)

 明朝発表のNZの7-9月期GDPは前期比0.6%の予想で、前回(0.8%)に比べやや伸びが鈍化。RBNZの予想(0.7%)も下回り、NZドルにとってはマイナス材料になりそうです。

 

 

カナダ/円:週後半の指標に注目

 木曜日に発表予定のカナダ11月CPI(消費者物価指数)は、前年同月比が2.0%に大きく上昇の予想(前回1.4%)。10月小売売上高も、前月比0.4%(前回0.3%)と伸びが期待されます。カナダ銀行は、将来の再利上げを示唆する強気のコメントを出しています。しかし、マーケットはどちらかというと、利上げを織り込みすぎている状態で、たとえ指標結果がよくても上昇は限定的になる可能性もあります。

 金曜日には、カナダの10月GDPが発表されますが、予想は前月比0.1%と伸びが鈍化。カナダ中央銀行の財政刺激策の効果が薄れたせいとの指摘もあります。