前日(12月15日)の市場概況

南アフリカランド/円:次期大統領候補を巡り乱高下

 南アランド/円は週明けの東京市場で乱高下。オープンと同時に5カ月ぶりの高値となる8.67円をつけたあと、8.435円まで急落。その後も神経質な動きが続いています(チャート1)。

 南アフリカの与党「ANC(アフリカ民族会議)」の党大会が週末から開かれ、新議長の座を巡ってズマ現大統領と対立するラマポーザ副大統領と、ズマ大統領の元妻であるドラミニ候補が争っています。新議長は南アフリカの次期大統領に選出されることになることが確実ですので、実質的な大統領選と言えます。

 ラマポーザ副大統領が選ばれた場合、政治や経済の改革期待で南アランド高が予想されます。ドラミニ候補が党首となった場合、腐敗政治が続くことや格下げの懸念もあり、南アランド安に動くと予想されます。結果は本日中に判明するもよう。

 

ドル/円:112.70円まで反発

 ドル/円は、欧州時間までは頭の重い動きが続き、前日の安値を下回る112.02円まで下げましたが、NY時間になって112.74円まで大きく反発(チャート2)。

 米税制改革法案の年内成立を楽観視してドルに買い戻しが入り、リスクオンムードが戻ったことで米株価も3指標すべてが過去最高値を上回りました。終値は112.609円(前日比+0.21円)。

 

ポンド/ドル:ブレグジット交渉の先は暗い?

 EU(欧州連合)首脳は15日、ブレグジット(EU離脱問題)交渉について、通商問題などを話し合う第2段階へ進むことを正式に承認しました。ただ、英国のEU離脱までの移行期間の延長など明るい内容はなく、むしろ今後の交渉がさらに厳しくなるとの指摘がほとんど。マーケットは売りに回り、ポンド/ドルは、1.34ドル台半ばから1.3302ドルまで大きく下落しました(チャート3)。

 またポンド/円も7営業日ぶりに150円を割り、11月29日以来の安値となる149.40円まで下落しています(チャート4)。