今朝(12月03日)の市場概況

ドル/円:トランプ税制法案可決で上昇

 週明けのドル/円は、円安方向に窓を開けてオープン。トランプ大統領の法人税減税法案が、僅差ながらも米上院で可決されたことを好感した買いが入りました。ドル/円は午前8時過ぎの段階で、先週金曜日の高値を更新して112.88円まで上昇しています。(チャート1)

 

前日(12月01日)の市場概況

ドル/円:ロシアゲートでマーケットが動揺

 週末のドル/円は、トランプ大統領の税制法案が米上院で可決されるとの期待で、買い優勢でスタートしました。NY時間には112.87円まで値を伸ばし11月17日以来の高値をつけましたが、ロシア疑惑に関する報道で111.40円まで急落。ダウNY株価は一時350ドルの大幅下落となりました。

 ロシアと不適切な関係を持った疑惑で訴追されたフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、司法取引に応じてトランプ大統領とそのファミリーの関与を認める証言をすると報じられたことが、マーケット動揺を与えました。ただその後は、112円台を回復するなど落着きを取り戻し、終値は112.17円(前日比-0.371円)。

 捜査がトランプ大統領まで及ぶかは不明ですが、この政治問題の再燃が、減税法案期待で明るいムードになっていたマーケットをしらけさせたことは事実です。また、ロシアとの関係も更に悪化することが懸念されます。

カナダドル:指標強く、急上昇

 この日発表された、カナダのGDP(国内総生産)と雇用データがいずれも予想を上回る強い結果となり、カナダドルが急上昇しました。カナダドルは1.2682ドルまで下落(ドル安/カナダドル高)。(チャート2)

 カナダ/円も、NY市場で11月17日以来となる88.59円の高値をつけ、月曜朝はドル/円が円安に戻していること88.86円まで上値を伸ばしています。(チャート3)

 先週のドル/カナダドルは、カナダ銀行総裁が利上げに慎重な態度にかわったことで、200ポイントもカナダドル安が進み、弱気ムードが広がっていました。それだけにこの日の指標はインパクトがあり、マーケットは買戻しに走りました。OPEC(石油輸出国機構)の協調減産延長で原油価格が上昇したことも、資源通貨のカナダドルにはプラス材料。

 今週はカナダ銀行が政策会合を開きます。政策金利は据え置きの予想ですが、指標結果を受けて前向きな声明文が期待できるかもしれません。