前日(11月30日)の市場概況

ドル/円:ドル/円は113円を狙うポジションへ

 月末のマーケットでドル/円は3日続伸。株価上昇やトランプ税制改革法案への期待からリスクオンの姿勢が強まったことが理由。(チャート1)

 この日のドル/円は、日米の株高を追い風に東京市場から上昇が始まり、NY市場で11月21日以来となる112.63円をつけました。

 ティラーソン国務長官更迭の噂で111.73円まで売られて当日安値をつける場面もありましたが、下げは一時的。これまでトランプ税制改革法案に反対していたマケイン上院議員が支持に回ったことを好感して、この日もダウ平均株価が史上最高値を更新。リスクオンの流れがドルを押し上げました。終値は、112.547円(前日比+0.594円)

 

 

ユーロ/円:月間高値を更新

 ユーロ/円は、ドル/円の上昇に支えられ11月の高値となる134.14円まで上昇。(チャート2)

 ユーロ/ドルはユーロ圏の11月CPI(消費者物価指数)が予想に届かず1.1808ドルまで下げましたが、NY時間に1.1931ドルまで反発しました。

 

 

ポンド/円:2カ月ぶり高値圏

 ブレグジット交渉の進展期待がポンド買いを強め、ポンド/円は2カ月ぶりの高値水準へ。(チャート3)またポンド/ドルは節目となる1.35ドルを上抜けして1.3548ドルの高値をつけました。

 

 

カナダ/円:今夜の指標に注目

 カナダドル/円は87.26円まで小幅上昇。(チャート4)

 ポロズ・カナダ銀行総裁が今後の利上げに対して慎重な態度にかわったことで、最近のカナダドルは対ドルでカナダ安となっています。米国とのNAFTA(北米自由貿易協定)交渉が不調なこともカナダの弱材料。

 この日はOPEC(石油輸出国機構)が協調減産の延長について合意しましたが、原油価格の反応は限定的。資源通貨とされるカナダドルのプラス材料にはなりませんでした。

 今夜はカナダの指標が多く発表されます。11月の失業率は6.2%に改善の一方で、カナダの7-9月期 GDP(国内総生産)は前年同期比1.7%と伸び悩みの予想。利上げによる財政刺激効果の薄れと、これまでのカナダ高の影響で輸出競争力が低下していることがカナダの成長率の足かせになると懸念されています。

 

 

この指標を見逃すな!! 12月1日の注目イベント

カナダGDP、カナダ失業率