前日(11月23日)の市場概況

ドル/円:ドル全面安で円高進む

 23日のマーケットでドル/円は続落。111.06円まで円高が進み9月18日以来の安値。111円割れは免れたものの上値は重く、高値は111.37円まで。終値は111.197円(前日比-0.012円)でした(チャート1)。

 ドルが売られたのは、その前日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録がインフレに慎重な見通しを示したため。同議事録では多くの参加者が、「一時的な現象と思われたインフレの伸び悩みは、実は根強いようだ」と慎重な見方になっており、「この状況が改善されない場合、インフレ期待までが後退することになる」との懸念を抱いていることを明らかにしました。全体としては、「インフレリスクは、バランスしている」という結論に落ち着いたものの、マーケットが考えていた以上に弱気な部分が目立ちました。

 

ユーロ/ドル:買い強まる

 ユーロ/ドルは、重要な抵抗ラインである1.1850ドルをわずかながら超え、今月の高値に迫る1.1855ドルまで上昇(チャート2)。

 ドル全面安の流れがユーロ買いにつながりましたが、欧州の11月PMI(購買担当者景気指数)が予想を上回り、ユーロ圏の第4四半期の成長率とインフレ上昇の期待が高まるなど、経済面もユーロを支えました。

 

NZドル/ドル:上値重い

 NZドルは先週、対ドルで年初来安値をつけました。その後は買い戻しが強まっていますが、対円ではドル/円が円高に振れているせいで77円が重く、上に抜けられない状態に(チャート3)。NZドル/円が今年の安値を更新する可能性も出てきました。

 

トルコリラ/円:史上最安値を更新、神経質な取引続く

 トルコリラは、米国やドイツとの外交関係の悪化で下落が加速。今週は、対ドルで史上最安値を更新しました。対円でも22日に対円で史上最安値となる28.05円をつけたものの、その後は反発(チャート4)。

 トルコ中央銀行は通貨防衛のために調達金利を引き上げましたが、エルドアン大統領が中央銀行に金融緩和を迫っているため、効果は一時的との見方です。