アバークロンビー&フィッチ
アバークロンビー&フィッチ(ティッカーシンボル:ANF)は1892年に創業されたブランドで、20歳以上の顧客をターゲットにカジュアルで高級感のあるアメリカン・スタイルのアパレルを提供しています。同社は「アバークロンビー・キッズ」、カリフォルニアのライフスタイルにインスパイアされた「ホリスター」などのブランドも展開しています。
同社はもともとアウトドアにインスパイアされたアパレルを売っていましたが、上半身裸の男性モデルを前面に押し出した大胆なマーケティングでイメージチェンジしました。しかし、その新奇性が薄れるにつれ既存店売上比較が悪化し、現在ではこの路線を改め、再び同社のルーツに帰るマーチャンダイジング戦略を採っています。
その甲斐あって、先に発表された第3四半期(10月期)決算では既存店売上比較が+4.0%と大きく改善しました。
さらにEPS(1株あたりの利益)が予想21セントに対し30セント、売上高が予想8.18億ドルに対し8.59億ドルと、楽々とコンセンサスを上回っています。
とりわけ「ホリスター」は若者向けブランドの中では最も良いパフォーマンスを示しています。
地域別では米国売上高が+4%、海外が+5%でした。ネット通販は+24%でした。
グロス・マージンは61.3%でした。これは80ベーシスポイントの下落となっています。マージン下落の理由は値引き合戦が続いているからです。
第4四半期の既存店売上比較は予想+0.5%に対し、新ガイダンス+4%が提示されました。
アバークロンビー&フィッチはクリスマス商戦に向けてよいモメンタムを示しています。去年のクリスマス商戦では業績の悪化を受け在庫が前年比-14%と極端に絞り込まれた状態になっており、来店客が欲しい商品が店内にないという状況が生じました。今年は去年の教訓を生かし、よく売れている商品を中心に、十分な在庫を仕入れてあります。