日経平均は先週、25年10カ月ぶりの高値を更新

 日経平均は11月7日に、2万2,937円まで上昇しました。1996年6月につけたバブル崩壊後の戻り高値(2万2,666円)を抜き、25年10カ月ぶりの高値を更新しました。

 日経平均は、9日には一時2万3,382円まで上昇しましたが、さすがに上昇ピッチの速さに警戒が広がり、その後、利益確定に押されて反落。先週末(10日)は、2万2,681円となりました。

日経平均月次推移:1989年12月~2017年11月(10日まで)

出所:楽天証券経済研究所

 日経平均は1989年末に史上最高値(3万8,915円)をつけた後、バブル崩壊、金融危機、ITバブル崩壊、リーマンショックなどの危機に直面し、暴落を繰り返してきました。危機を経るたびに構造改革を実施してきた成果が、2012年末に始まったアベノミクス相場で一気に開花したと考えられます。

 

上昇ピッチの速さに、ようやく警戒感が出る

 9月後半から一本調子で上げてきた日経平均ですが、先週、ようやくスピード調整の兆しが出ました。

日経平均週足:1989年12月~2017年11月(10日まで)
 

出所:楽天証券マーケットスピード

 先週の週足を見ると、長い「上ヒゲ」が出ています。上昇相場に過熱感があるところで、長い上ヒゲが出ると、「あわてて買っていた投資家」は、少し落ち着きます。「そのうち売ろうと思っていた投資家」は、急いで売ったほうがいいかと思い始めます。その結果、長い上ヒゲが出た後、スピード調整に入ることもあります。

 ただし、長い「上ヒゲ」は、あくまでも短期テクニカル指標の1つにすぎません。これだけで、本格的な調整に入るとは、判断することはできません。

 

先週は、出遅れ外国人があわてて買う中、先に買った外国人が利益確定した印象

 この上昇相場をけん引しているのは、外国人です。ただし、外国人投資家にもいろいろなタイプがいます。買いが始まるとき、初期はヘッジファンドが先物中心に買い、後から、幅広い外国人の現物買いが増える傾向があります。

外国人投資家による株式現物・先物売買動向、および日経平均の変動幅:2017年9月4日~11月10日

出所:東証データより楽天証券経済研究所
注:上の表の外国人売買で、プラスは買い越し、▲は売り越しを示す。先物売買は、日経平均先物のみ集計

 今回も、先物買いから始まり、続いて、現物買いが膨らみました。9月4~22日、日経平均が反転し、上昇に最初のきっかけを作ったのは、外国人の先物買いです。この間、外国人の現物売買は、まだ売り越しです。足の速い海外ヘッジファンドが、すばやく先物によって日本株のポジションを増やしたところです。

 9月25日~10月20日は、外国人の現物買いと先物買いが両方そろい、日経平均の上昇をけん引しました。

 10月23~27日、外国人は先物を小幅に売り越していますが、大量の現物買いによって、日経平均の上昇が続いています。10月30日~11月2日は、再び、現物買いと先物買いがそろい、日経平均が大幅高になっています。

 先週(11月6~10日)の主体別売買はまだわかりませんが、買い遅れた外国人があせって現物を買ってくる中、足の速いヘッジファンドが先物を利益確定したと推定しています。

 

日経平均は目先スピード調整か、ただし、調整後、再度上値トライの可能性も

 日経平均は、短期的に過熱しており、目先はスピード調整局面となる可能性があります。ただし、日経平均のPER(株価収益率)で見ると、まだ15倍。株価指標から見て割安と考えられます。

 買い遅れた外国人の日本株買いも当面、続きそうです。世界の政治面でショックが起こらない限り、スピード調整後に、日経平均は、再度上値トライするとみています。

【この記事対するアンケート回答はこちらから】