執筆:窪田真之

30日の日経平均は前日比12円安の16,725円でした。1ドル102円台まで円安が進んでいることから下値は堅くなってきていますが、9月2日(金)に8月の米雇用統計の発表を控えており、積極的に買い上がるも出にくくなっています。米雇用統計が、利上げを後押しするものになるか、注目されています。

今日は、最近の話題として、半導体業界の近況にふれます。

(1)米国で半導体関連株が上昇

2016年に入り、世界的に半導体産業が活気づき、米半導体株指数の上昇が加速しています。

米半導体株価指数(SOX指数)の動き:1996年3月末―2016年8月29日

(出所:ブルームバーグ)

上のグラフをご覧ください。①は、ITバブル時の高値、②は、ITバブル崩壊後の安値、③はリーマンショック後の安値を示しています。

リーマンショック後、米半導体株価指数は順調に回復基調をたどってきましたが、2016年に入り上昇が加速しています。今年の値動きを、もう少し詳しく見ると、以下の通りとなります。

2016年の米SOX指数とNYダウの動き比較:2015年末―2016年8月29日

(注:2015年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

7月以降、日本と同様に、アメリカでも景気敏感株の上昇が目立っています。そうした流れの中で、半導体株価指数が、NYダウを上回る動きとなっています。