今後の日経平均はどう動く?

 以上を踏まえて、今後の日経平均がどう動きそうなのかについて、テクニカル分析的に考えて行きたいと思います。

図4 日経平均(週足)とMACDの動き(2024年8月2日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを基に筆者作成

 上の図4は日経平均の週足チャートです。

 3月22日週と7月12日週の高値を頂点とする「ダブル・トップ」が形成されつつあることや、13週移動平均線が26週移動平均線を下抜けてしまい、「パーフェクト・オーダー」が崩れてしまったこと、下段のMACDも下向きを強めているなど、チャートの全体像から読み取れる情報は下向きの意識を強めています。

 また、値動きの見通しについては、先週末の株価は52週移動平均線のところに位置しており、ここをサポートにできるかが焦点となっています。

 仮に、株価が反発して行くのであれば、13週と26週移動平均線のところまで上昇した後、この2本の移動平均線を上抜けするのか、それとも抵抗となってしまうのかがポイントになります。抵抗となってしまった場合には、典型的な「リターン・ムーブ」となり、下げが加速してしまう展開には要注意です。

 反対に、株価がこのまま下落して行くのであれば、3万4,000円~3万2,000円の範囲が目安となりそうです。図4を見ても分かるように、3万6,000円~3万4,000円の価格帯で取引された場面が少なく、一気に株価水準を切り下げることも考えられます。

 続いて相場の値動きのリズムの視点からも見て行きます。

図5 日経平均(週足)の動き(2024年8月2日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを基に筆者作成

 上の図5は、コロナ・ショック時の安値をつけた2020年からの日経平均の週足チャートに、株価が天井をつけてからの下落が止まったポイントを記載したものですが、天井から「38.2%押し」あたりで下げ止まっていることが多いことが分かります。

 先週末の株価も、図5のピンク色の線が示しているように、2023年1月6日週を起点に2024年7月11日の高値の上昇幅に対して38.2%押しのところに位置しています。

 また、図4でも先週末の株価位置が52週移動平均線のところにあることを確認しましたし、先週の急激な株価の値幅調整や値ごろ感による買いが入ってくることも想定されます。ただ、今週末9日(金)がオプション・mini先物取引のSQ日のため、需給的には「もう一波乱」を想定しておく必要があります。

 さらに、38.2%押しのリズムをもっと長期的に捉えてみます。

図6 日経平均(週足)のフィボナッチ・リトレースメント(2024年8月2日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを基に筆者作成

 上の図6は、図5をさらに長期的に捉えた日経平均の週足チャートにフィボナッチ・リトレースメントを重ね合わせたものです。

 株価の上昇幅を2020年3月20日週から2024年7月11日週で見た場合、先週末時点の株価は23.6%押しのところに位置しています。先ほども見てきたように、38.2%押しまでのリズムで考えるならば、リクツ的には3万2,468円までの下落シナリオも考えられます。

 もっとも、図6については、より長期の視点であることや、米景気後退が想定以上に進行した場合など、ネガティブシナリオであるため、現時点では参考程度にとどめて良いと思います。

 基本的には、相場の外部環境が悪化しないのであれば、まずは株価の落ち着きどころを探る値動きとなり、その後は落ち着いた株価水準をベースに、2,000円くらいの値幅でのレンジ相場を形成していく可能性が高いと思われます。