今日の為替ウォーキング

今日の一言

大切なのは「時」を待つ姿勢。ただ単に待ち続けるという受身の姿勢では勝機を見逃す。かといって「時」をつくろうとすると焦りにつながる。要は、積極的につくり、待つという姿勢が肝要なのである

Waiting For A Girl Like You

 国内主要食品メーカー195社は5月に417品目の飲食料品を値上げした。品目こそ前年同月に比べて5割近く下回っているが、1回あたりの平均値上げ率が31%と、単月としては「過去最大」を記録した。円安が止まらない限り、これからも食品値上げラッシュは何度も襲ってくる。

 しかし、植田日銀総裁は4月26日の金融政策後の記者会見で、「円安が基調的な物価上昇率に与える影響は無視できる」と言い切った。そのわずか1週間後に「物価に影響を及ぼしやすくなっている」と発言を微修正したが、円安の最大原因とされるゼロ金利や国債購入などのウルトラ緩和政策は継続する考えだ。

 金利の影響を受けにくい品目の物価が上昇するまで金利を上げないというのは、合理的ではない。それでも日銀がゼロ金利を長く維持しようとするのは、それが企業に期待されていると思っているからで、いわば日銀のPR活動のようなものだ。

 低金利が悪化させているインフレの「不平等な痛み」を放置することは、高所得者層をよりも低所得者層をより多く苦しめ、それによって生じる不均衡が経済と資産市場を歪めている。日銀の「より低くより長く」のウルトラ緩和政策は、実はより高いリスクを意味している。

出所:楽天証券作成

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成