金(ゴールド)相場の変動要因を再確認

 長期投資を前提とし、金(ゴールド)に注目をされておられる方は少なくないと思います。時には数十年単位のプロジェクトになり得る長期投資において、2年(あくまでも筆者の考察にすぎませんが)は短いかもしれません。

 ですが、金(ゴールド)市場には、長期視点の価格反発を誘引する可能性があるテーマがあります。「中央銀行」です。以下は、筆者が考える金(ゴールド)市場を取り巻く環境です。

図:金(ゴールド)市場を取り巻く7つのテーマ

出所:筆者作成

 足元で目立っている「有事ムード」は、短中期の時間軸のテーマに分類しています。また、先ほどの「ドル・株起因の下落圧力の中、上昇」の箇所で述べた「代替資産」と「代替通貨」も、短中期です。つまり、冒頭からここまでの間で述べてきたテーマは、いずれも長期に分類されていないのです。

 一口に金(ゴールド)価格を変動させるテーマといっても、影響度も時間軸も異なります。特に長期投資を前提として金(ゴールド)に注目される方は、中長期以降のテーマに注目されると良いと、筆者は思います。

 当然のことながら、金(ゴールド)価格は日々、短中期のテーマの影響を受けて細かく変動します。このため、短中期のテーマに関心が向くことは自然なことだと思います。ただし、長期投資をされている場合は、日々の値動きやテーマの他に、長期視点のテーマにも注目する必要があると、考えます。