米労働市場は強く、インフレ収束が遅れている
9月の米雇用統計は、米景気・雇用が依然として強いことを示す内容でした。9月の非農業部門雇用者は、前月比33万6,000人増と、増加幅が拡大しました。増加数が20万人を超えると米景気は好調と判断しましたが、雇用を見ると、米景気の強さが再確認されます。
米雇用統計、非農業部門雇用者数(前月比):2021年1月~2023年9月
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完全失業率は前月比変わらず3.8%でした。コロナ前の2020年2月とほぼ同水準で、実質完全雇用が続いていることが確認されました。これで、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)がさらに利上げをする可能性が高まり、金融引き締めの手を緩める期待が消えました。11、12月も大幅利上げが続く不安から、ナスダックは再び急落しました。
米雇用統計、完全失業率:2014年1月~2023年9月
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このように、米景気は底堅く、米インフレの収束が遅れているために、FRBはタカ派姿勢を崩さず、米長期金利の上昇が続く要因となっています。
米景気がしぶとく好調なのは米国株にプラス材料ですが、金利上昇が続いていることはマイナスで、米国株は上値が重くなっています。