今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは149.50

 ↓下値メドは147.70 

介入効果:政策変更の裏打ちがなければ、通貨市場の口先介入の影響は長続きしない
米国債:中国の米国債保有額、ネット売り越しに
円:日銀の政策変更、国内債券投資家の2割が「年内」、6割が「来年4月までに」と予想
経済対立:構図変化の混乱が経済ナショナリズムを煽る
利上げ:BOE「少なすぎる引締めのリスクの方が大きい」

市況

 今週のこれまでのドル/円のレンジは、3日のNY市場でつけた年初来の高値である150.16円と、その直後に「介入的な動き」急落してつけた147.29円。このレンジの中心値は148.725円。現在の水準はそれより若干円高に位置している。

 2023年199営業日目のドル/円は、前日比▲0.62円の「円高」。24時間のレンジは0.91円。
10月5日(木曜)は149.02円でオープン。東京市場で前日の安値(148.73円)を下抜けて昼前に148.20円まで下げる。しかしこの水準は買いが強く、夜遅くには149円台に戻して149.11円をつけたが、再び148円台に押し戻されて終値は148.52円。今夜の米雇用統計の発表を待っている状況だ。

 9月雇用統計の詳しい解説については「なぜ、雇用市場が強いと米経済は「墜落」するのか? 9月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
149.11円(10/05)
149.20円(200時間移動平均)
149.32円(10/04)
150.16円(10/03)

サポート:
148.73円(10/04)
147.29円(10/03)
147.01円(09/14)

 3日のNY市場でドル/円は1年ぶりの高値(円の安値)となる150円台に乗せたが、その直後に3円近く急落した。マーケットでは「介入」の噂が一時出回ったが、日本の財務省はノーコメントだ。介入を隠す理由はないから、ノーコメントは「していない」とも推測できる。したとしても、ドル/円は一時149円台まで戻っているので、効果は限定的だったといえる。

 東京市場以外で介入する場合、日銀は直接するのではなく、その国の中央銀行に依頼するのが普通だ。FRB(米連邦準備制度理事会)が管轄下にあるNY市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)が介入する。FRBは日銀の依頼で介入したと公表する。そうしなければ自国マーケットに不要な混乱を招くからだ。FRBから何も発表がないことも、介入の可能性は低いと考えられる理由だ。

 鈴木財務相は、円買い介入について「水準そのものは判断基準にならない。あくまでボラティリティーの問題だ」との見解を示していたが、財務省の神田財務官は、緩やかな円安が続く状況での為替介入も排除しないとルールを変更した。つまり、特定の水準になったら介入すると宣言したのだ。

 しかし、実際に介入が入ったのかどうかは、問題ではない。ドル/円は日米金利差というファンダメンタルズに沿って、緩やかに円安に向かっているだけだ。政府も日銀も、このスピードなら円安を止めようとも思っていない。

 マーケットが疑心暗鬼になって、自律的な調整で一時的な円高に動き、そこからまた円安に戻してくれたら、介入の資金を使わずに済むから願ったり叶ったりだ。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成