原油98ドルで200円という試算

 冒頭で、三つの条件が重なったことが、足元のガソリン小売価格上昇の要因だと、述べました(補助金の縮小、海外原油高、円安)。補助金の縮小は先述の通り、段階的に廃止される方向であるため(現時点)、時差はあれども、近い将来、さらなる価格上昇を後押しすると考えられます。以下は、海外原油高と円安に関わるグラフです。

図:ガソリン小売価格、ドル/円、原油価格の推移(2022年1月16日を100として指数化)

 ガソリン小売価格が明確に170円超え、補助金が出される条件を満たした2022年1月下旬以降の推移を振り返ると、補助金なしのガソリン小売価格が、原油(WTI)とドル/円相場の影響を強く受けていることがわかります。

 原油価格がガソリンの原材料価格にあたること、原油を輸入する際にドル/円の動向が輸入コストを増減させることが、その要因です。

 ドル/円が動かないと仮定して、ガソリン小売価格の全国平均が200円を超えるための条件を考えます。ドル/円に対する変動率について、原油は補助金なしガソリン小売価格の 約1.5割増し(上記期間)であるため、補助金なしガソリン小売価格が 200円(195.5円→200円 1.02倍)になる時、原油価格は約98ドルだと推測されます(8月2週目基準)。

 あくまで上記推測は、ドル/円が変動しなかった場合ですが、98ドルを中心とし、ドル/円が変動することを考えれば、ドル/円が円安に振れれば98ドル以下で、円高に振れれば98ドル以上で200円になる可能性があります。