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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
日経平均は10週連続の上昇。2024年世界景気回復を織り込む動き?

日経平均は10週連続の上昇、33年ぶりの高値更新

 先週(6月12~16日)の日経平均株価は、6月9日(金)の終値3万2,265円と比較して、1週間で1,441円上昇、16日(金)の終値は3万3,706円と10週連続の上昇となり、33年ぶりの高値更新が続いています。先週の二つの重大イベントを無事通過したことで、上昇に弾みがつきました。

 二つのイベントと言っているのは、13~14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)と、15~16日の日銀金融政策決定会合です。

【1】FOMC:利上げなし。年内2回の追加利上げ示唆あったが「利上げ停止近い」というコンセンサス変わらず

 6月14日にFOMC結果が発表されました。事前予想通り、利上げは行われませんでした。ただし、7月以降、年内に2回追加利上げの示唆がありました。

 FOMCメンバーのFF金利予測(中央値)では、年末まであと0.25%の利上げが2回実施されることとなっています。これを嫌気して、一時米国株は大きく下がりました。

 ただし、その後も、米利上げ停止が近いという市場の見方は変わらず、米国株は買い戻されました。不透明要因は残りますが、FOMCは波乱なく通過しました。

【2】日銀金融政策決定会合:大規模金融緩和を継続

 6月16日昼、日銀金融政策決定会合の結果が発表されました。事前予想通り、政策変更なし、大規模金融緩和を継続する内容でした。

 日本のインフレ率が高くなってきているので、いずれ長期(10年)金利の上限を0.5%としている「イールド・カーブ・コントロール」政策は撤廃せざるを得なくなるという懸念が市場にあります。今回、長期金利引き上げがなかったことに安堵(あんど)が広がり、16日午後に日経平均が上昇しました。

 日経平均の急激な上昇をけん引しているのは、外国人投資家の大量買いです。4月以降、6月9日までで外国人は日本株を約8兆3,000億円も買い越しています(株式現物と日経平均先物・TOPIX先物の合計)。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と先物の合計):2022年1月4日~2023年6月16日(外国人売買動向は2023年6月9日まで)

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成