今日の為替ウォーキング

今日の一言

成果を上げるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果をあげる人はもっとも重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない – ドラッカー

Danger Zone

 FRBの利上げ政策は「どれだけ早く」から「どれだけ高く」へ、そしてこれからは、「どれだけ長く」へと重点が移っていく。

 2022年6月のFOMCでFRBは、0.50%の市場予想を超える0.75%の大幅利上げを断行した。それまでは、中央銀行の1回の利上げ幅は0.25%がスタンダードだったから、マーケットはFRBのインフレ抑制の強い意志を感じた。

 それから1年が経ち、FOMCは利上げを休止する決定をした。今年3月のシリコンバレー銀行(SVC)破綻の後も止めることなく、2022年3月から前回2023年5月までに10会合連続利上げしてきたFRBだが、この辺りで様子見するべきとの判断になった。今週発表された米国のCPI(消費者物価指数)が、ピーク時の9%から半分の4%まで伸び率が下がったことで見送りの言い訳もできたようだ。

 しかし、利上げサイクルが終了したわけではない。パウエルFRB議長は、今回は利上げペースを緩めただけであり、最終到達レートを引き下げではないと言明している。7月の会合は「ライブ」と述べ、再利上げの可能性を示唆したが利上げをコミットすることはなかった。FOMCが次回の会合結果を、前の会合で決定したことはない。今後の経済データの結果によっては、このまま利上げサイクルがフェードアウトする可能性もある。FOMCメンバーのドットチャートが強気修正されても、ドル上昇にそれほど勢いがなかったのはそれが原因かもしれない。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成