米国の利上げサイクルはまだ終わっていない!?

 昨日の市場を驚かせたのは、カナダ中銀が予想外の利上げに動いたことである。カナダ中銀はG7の中銀の中で最初に、そして唯一、利上げサイクルを一時停止した銀行である。しかし、インフレを抑制するために借入コストの引き上げが必要であることを認めた。

 2日前にはオーストラリア中銀も金利を11年ぶりの高水準となる4.1%まで引き上げ、さらなる引き上げを警告し、市場に衝撃を与えた。

カナダ中銀のオーバーナイト金利

BOCはオーバーナイト金利を4.75%に引き上げ、2001年以来最も高い金利となった
出所:ゼロヘッジ

 こうした動きは、米国債への売り(金利上昇)を加速させることとなった。テーラー・ルールでみると、コア・インフレ率が依然として高いことから、米国経済の制限金利は「5%から6.55%の間」となり、FRB(米連邦準備制度理事会)の中間金利である5.125%は物価上昇圧力を抑制する上でまだ仕事を終えていないことを意味するという。

 米国のインフレはFOMC(米連邦公開市場委員会)の目標を大きく上回っている。「利上げ停止であれ、一回休みであれ、今後はもう利上げがないという約束ができあがったわけではない」との声が多く、あと50ベーシスの利上げが年内にありそうだ。

米10年国債金利(日足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

フェデラル・ファンド金利の現在の市場の予測

出所:クリエーティブプランニング

ユーロ/ドル(日足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

ユーロ/ドル(週足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター