暴騰より大暴落の方が、収益が大きい場合も

 シミュレーションの前提の一つに、「50年間継続すること」があります。このため、以下のシミュレーション結果は、価格が上がったから利益を確定させる「ワクワク起因の途中終了」や、価格が下がったからあきらめてやめる「ハラハラ起因の途中終了」、は想定していません。

 以下のとおり、50年後(2072年12月)の3パターンの資産の額(利益+投資金)は、いずれも、投資金の合計である600万円を上回りました。大きい方から順に、(3)大暴落パターン(1,100万円超)、(2)暴落パターン(730万円超)、(1)暴騰パターン(728万円超)でした。

(3)大暴落パターンの資産の額は、最も小さい(1)暴騰パターンの1.5倍超となりました(利益だけでみると3.9倍超)。グラフのとおり(3)大暴落パターンの資産の額は、価格反発がはじまった2063年から、急激に増え始めました。

図:積立シミュレーション(3パターンの累積資産額) 単位:百万円

出所:筆者作成

 なぜ、(3)の大暴落パターンの資産の額が、2063年から急激に増え始めたのでしょうか。そしてなぜ、大暴落は暴騰に比べて有利になることがあるのでしょうか。答えはシンプルです。「積立」だからです。