ドイツ株・中国株も上値重く

 年初来、米景気だけでなく、欧州景気や中国景気にも回復期待が出ていることを受けて、ドイツ株・香港株も上昇していました。ところが、2月は上値が重くなっています。

独DAX指数・香港ハンセン指数・ナスダック総合指数の動き比較:2021年末~2023年2月17日

出所:2021年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

【1】欧州景気回復を好感して上昇してきたDAXは少し上値が重くなる

 欧州景気も、昨年はハードランディングの不安がありましたが、今年に入ってソフトランディングの期待が出ています。昨年、天然ガスの急騰で、深刻なインフレが起こり、スタグフレーション(インフレと不況が同時に起こること)のリスクが意識されました。ところが、足元、天然ガスが急落すると、ドイツを中心に景気が持ち直す兆しが強まっています。

【2】中国景気回復期待で買われてきた香港株は下落、気球問題も影響

 中国景気も、昨年はハードランディングの不安がありましたが、今年に入ってソフトランディングの期待が強まっています。昨年は、徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ政策」により、中国景気が急激に悪化するリスクが懸念されていました。ところが、昨年、ゼロコロナ政策を解除してから、急速に景気回復の兆しが強まりつつあります。

 景気回復期待から、香港株も昨年11月以降、大きく上昇していました。ところが、2月に入って反落しています。中国気球が米国上空を通過した後、2月4日に米国軍に撃墜されたことをきっかけに、米中関係が悪化する不安が出ています。