バブルのシンメトリーの重い手

 2月1日のゼロヘッジの記事『上がるものは下がる:バブルのシンメトリーの重い手』に、興味深い分析があった。以下に抜粋して紹介したい。

 残念なことに、市場の自然の摂理は平均回帰であり、持続不可能なものはすべて崩壊する。これには、投機マニア、信用バブル、資産バブル、利幅、利益、売上、消費、税収、その他あらゆるものの際限ない拡大予想が含まれる。

 バブルの崩壊には、よく知られた心理的な道筋がある。この過程は、否定、怒り、交渉、抑うつ、受容というキューブラー・ロスの段階を多かれ少なかれ辿るが、投機熱狂の勢いは傲慢さと過信の誇示を要求し、すなわち最初のぐらつきが「底値に違いない」とする。

 また、「底が打った」「バブルが再膨張し始めた」という誤った希望も繰り返される。このパターンは、投機熱がついに冷め、バブルの再来に賭けていた人たちがついに諦めるまで繰り返される。

 バブルの対称性は、まあ、面白い。1995年から2003年にかけてのドットコム株式バブルは、バブルの対称性の典型的な例であるが、他にも多くの例がある。バブルの対称性の特徴は、バブルが高騰するのに要した時間とほぼ同じ時間でバブル全体が後退することである。

ドットコムバブルの対称性

出所:ゼロヘッジ

 このことを念頭に置いて、現在の株式と住宅のバブルを考えてみよう。S&P500がバブルの対称となった場合、バブル以前の水準まで45%急落し、その後、投機的熱狂が徐々に鎮まるにつれて、さらに下落することが予想される。

現在のS&P500のバブルとシンメトリー

出所:ゼロヘッジ

現在の住宅バブルとシンメトリー

出所:ゼロヘッジ

 このプロセスは、バブル崩壊とほぼ同じ期間を要することが多い。バブルが膨張するのに約2.5年かかったとすれば、バブルが弾け、市場がバブル以前の水準に戻るには約2.5年かかるのである。

出所:『上がるものは下がる:バブルのシンメトリーの重い手』 2023年2月1日 ゼロヘッジ