「まし」なインフレが需要回復「期待」を増幅

 前回のプラチナの見通しでも書いたとおり、「まし」なインフレ、それによる「まし」な利上げは、「緩やかな」需要増加期待を生むと、考えています。「まし」とは、最悪な状態に陥らないこと、です。

 事前予想を下回るインフレ、0.75%という3倍速の利上げよりも小幅な利上げ、が見られれば、市場は「最悪を回避できた」と認識し、楽観的なムードが広がるとみています。2023年の序盤は、中国のコロナ感染拡大などに注目が集まり、楽観的なムードがでにくいかもしれませんが、年後半は、こうした楽観的なムードが出やすくなると考えます。

図:インフレ・利上げ動向と原油相場を取り巻く環境(筆者予想)

出所:筆者作成