すでにカリ肥料の原料価格は暴騰中

 以下のグラフのとおり、ウクライナ危機勃発を機に、化学肥料の一つであるカリ肥料の原料となる、塩化カリウムの価格が暴騰しています。

 カリ肥料の供給については、ベラルーシがカナダに次ぐ世界2位、ロシアが3位で、ベラルーシとロシアに中国を合わせると、3カ国合計で世界の3割強を供給しています。

 カリウムは鉱石から採取します。米国の政府機関USGS (米国地質研究所)のデータによれば、世界全体におけるカリウム鉱石の生産シェアは、ロシアとベラルーシ合わせて35.3%です。ロシアはカナダに次ぐ世界2位、ベラルーシが3位、中国は4位です。

図:塩化カリウム価格 単位:ドル/トン

出所:OEC(The Observatory of Economic Complexity)のデータをもとに筆者作成

 化学肥料の価格高騰は、農産物を作る際にコスト上昇要因になり得ます。幅広い農産物の価格を底上げする要因として、今後も注視する必要があります。