米景気はしぶとく好調、日本はリオープンによる内需回復期待

 米景気は、急速に減速しているものの、まだしぶとく堅調です。雇用は強い状態が継続しています。10月の完全失業率は3.7%と実質完全雇用、労働者不足が続いています。

「米景気が堅調なうちに、インフレの低下トレンドがはっきりしてきて、米利上げ停止が視野に入る」という、株式市場にとって都合の良い「ソフトランディング」への期待が、高まりつつあります。

 円安・リオープン(コロナ後の経済再開)から、日本の景気・企業業績も堅調に推移しています。

 コロナからの回復が遅かった日本経済が、欧米よりも遅れて「コロナからの回復期」を迎えることが、日本株に追い風です。全国旅行支援、外国人観光客の受け入れ拡大が、内需回復に寄与すると考えられます。

 発表が終わった2022年7-9月期決算では、2023年3月期の業績予想を上方修正する企業が、下方修正する企業を上回りました。

 7-9月決算を検証した上で、楽天証券経済研究所では、今期の東証プライム増益予想を+4.2%から、+8.5%へ引き上げました。

東証プライム3月期決算主要841社の連結純利益(前期比)

出所:今期予想は楽天証券。なお、2017年3月期より2021年3月期までは東証一部上場の主要841社から計算、2022年3月期・2023年3月期は東証プライム上場の主要841社から計算。東証一部主要841社のうち、東証再編でプライム市場に入らなかった54社は除外し、プライムに入った銘柄と入れ替え