最終的な評価額は?

 最終的な評価額は、最後の月の基準価額が5,000円になったので、次のようになります。

  • ケースA:2万5,000円(50,000口×5,000円÷10,000)
  • ケースB:6万6,667円(133,333口×5,000円÷10,000)

 そしてリターンは、ケースAが▲50%、ケースBは+33.3%になりました。

 最終リターンに80ポイント以上の差が出たのは、言うまでもなく、基準価額が下落しても積み立てを止めなかったからです。安値圏でも買い付けを継続していたからこそ、基準価額が戻り切らなくても、リターンを獲得することができました。これこそが、市場の先行き見通しが立てにくい中でも投信積立を継続するメリットです。

出所:筆者作成

投信積立の最大のメリットとは?

 ご紹介した例のように、満を持して積み立てを始めた直後に基準価額が急落するというケースは決して珍しくありません。

 株式市場が急落すると、心理的な不安が先に立ってしまい、安くなったところで買い増しをした方がよいと分かっていても、なかなか行動に移せなくなります。投信積立のメリットは、こうした「感情」を一切排除できる点にもあるのです。