今は「循環的株安」局面、「バブル崩壊」ではないと判断

 世界経済に不安が高まると、必ず出てくるのが「バブル崩壊」の声です。後から振り返ると、ただの循環的景気後退にすぎないのに、その渦中にある時は、「ついに来た、バブル崩壊」といわれます。

 21世紀に入ってから、米国景気は3回後退局面をむかえました。2001年の「ITバブル崩壊不況」、2008年の「リーマンショック(100年に一度の不況)」、2021年の「コロナショック」です。どれも循環的な景気後退局面にすぎないのに、渦中にある時は、「バブル崩壊」といわれました。循環的な景気後退と分かっていれば、株が下がっているうちに少しずつ株を買い増ししていけば良いと分かりますが、「バブル崩壊」と言われてしまうので恐怖から安値で株を売ってしまう投資家もいます。

 私は、今、世界株安が起こっているのも、循環的に世界景気が悪化するリスクが出ていることに反応しているだけで、そこにバブル崩壊の要素はないと考えています。したがって、短期的な安値がどこになるかは誰にも分かりませんが、下落局面で割安になった株を少しずつ買い増ししていくことが長期の資産形成に寄与すると考えています。