米国の株式市場には当てはまる?「インデックスに勝てない」理論

「アクティブはインデックスに勝てない」というのは、「市場は常に完全に効率的である」とする仮説に基づいた考えですが、比較的、米国の株式市場ではこの理論が当てはまるといえます。

 米国株のアクティブファンドを調べていただくと分かりますが、長期にわたって継続的に超過収益を挙げている米国株式アクティブファンドは、確かに少数しか存在しません。これは、ある程度、市場が効率的に働き、情報が株価に織り込まれているため、簡単にはインデックスを上回る銘柄を見つけられないことが理由と考えられます。

 ただ、一方で、米国株式アクティブファンドの中でも、超優秀なアクティブファンドは存在します。数は少ないながらも、長年インデックスに勝ち続けているファンドもあり、そういったファンドを探して平均を上回るパフォーマンスを目指すこともできるのです。

 逆に日本株などは、非常に優秀なアクティブファンドが数多く存在します。

 これは米国とは逆に、インデックスがあまり機能していないために、インデックスに勝つ余地のあるアクティブファンドが多いということです。

 パフォーマンスを見ながらファンドを選ぶのが面倒という人もいるでしょう。単純にコスト比較でインデックスファンドを選択するのもよいですが、優秀なファンドで平均以上のパフォーマンスを狙うことも十分可能。「どちらかが絶対によいorダメ」と決めつけることはできないのです。

インデックスファンドとETFの使い分けは?

 インデックスファンドとETF(上場投資信託)はいずれも投資信託ですが、ETFは日本語で「上場投資信託」という通り、株式市場に上場していることが特徴です。ETFは簡単にいえば取引方法などが株式に近く、価格もリアルタイムで変動しています。

 一方で、インデックスファンドなどの通常の投資信託は、日中は価格が変動せず、1日に1回公表される基準価額で売買を行うことになります。このため、一定のタイミングで一定の金額を買い付けるような積立投資に向いているのは、インデックスファンドです。

 そして、ETFはリアルタイムで価格が動くため、まとまった資金でタイミングを見て購入する場合などに適しているといえるでしょう。