誰でもできる?不動産投資と投資信託

 そして、井上氏の主な投資方法の一つ、不動産投資を始めたのは2015年だ。

「僕は不動産投資に興味があったわけではなく、毎月の支出の大半を占める住居費を払いたくないという強い節約志向から、2015年に不動産の勉強をスタートしました。相場よりも安い物件を購入してそこに住み、売却する時は購入した時よりも高く売却することができたら住居費はタダどころかプラスの利益になるということを思いつき、それを検証するために2015年に1,380万円でマイホームを購入しました。自分で図面を描いたり、施主支給(自分で部材を手配)を駆使したりして割安なリフォームをして、2年間居住した後の2017年に2,490万円で売却して大きな利益を手にしました。これは売却益として600万円以上を手にしただけでなく、その2年間の住居費も実費0円という意味で、大きなインパクトでした。この方法の再現性をどんどん高めるために、それからも何回か繰り返しています」

 この不動産投資法は「不動産投資の王道の方法でもないし、本気でやるためには勉強や経験を積む必要があるので、興味がある人はしっかりと勉強した上でチャレンジしてみてほしい」と井上氏。だが井上氏の投資信託を買う方法なら誰でもできそうだ。

投資信託は何を買うべき?

「投資先をどうしても教えてほしい」と井上氏がせがまれたときにオススメするのは「世界経済全体に投資する『バランス型』と言われる投資信託の購入」だ。とはいえ、世界経済に投資するバランス型投信は多数販売されているので、通常なら「信託報酬が少しでも安い商品」といった視点で選ぶといい……といったアドバイスが多いが、井上氏は違う。

「投資信託をいろいろと比較検証したことはあります。世界経済に分散する商品、信託報酬が少しでも安い商品、先進国、新興国、発展国の株や債券に連動する商品をバラバラに購入して自分でバランス型を作るなど。でも数年間運用してみて運用結果に大きな違いはなかったし、自分でバランス型を作るのはリバランスも含め少し面倒でした。信託報酬の差といっても0.1%の違いだと、1,000万円運用していても年間1万円の差にしかならないと気がついたとき、改めてバランス型でいいし、単純な信託報酬の比較ではなく、自分が納得した商品にしようと思い、三井住友トラスト・アセットマネジメントの『世界経済インデックスファンド』を選びました」