中国バブル崩壊が世界経済に重大な影響を及ぼすことはあるか?

 日本では、繰り返し「中国バブル崩壊」論が語られます。

 日本が1990年代に経験したようなバブル崩壊は、中国には起こらないと私は考えています。中国バブルはすでに崩壊している部分がたくさんあるからです。投資バブル・国営企業バブルは常に崩壊しつつあります。

 これに対し、中国経済には変わらずに強い部分もあります。IT・ハイテク成長産業の躍進、消費の拡大が中国の強みです。つまり、中国経済は常にバブル崩壊と高成長が同居している状態と考えています。

 中国のリスクは、経済よりも政治にあると見ています。香港・ウイグルの人権問題、共産党独裁が一段と強化されつつあること、南洋諸島など対外的に強硬策を取るようになっていることが不安材料です。

 まとめますと、私は、中国経済全体が崩壊する意味での「中国バブル崩壊」は起こらないと考えています。中国経済は、常に高成長とバブル崩壊の二面を持ちながら成長していくと予想します。

 ただし、政治リスクの高まりによって、国際的な摩擦が高まる可能性には注意が必要です。

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