米国高配当株5:キャンベルスープ(CPB)

 缶を開けたり、ふたをはがすだけで、今夜の夕食のあらゆる問題を解決してくれる「キャンベルスープ」を中心として、ソース、ジュースなどさまざまな食品の製造・販売を行っています。

 150年以上にわたり米国で愛され続けているブランドで、米国の95%の家庭がなんらかの同社製品を利用しています。

 時価総額は133億ドルで、日本円で約1兆4,600億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は菓子類(Snacks)で、続いて軽飲食類(Meals & Beverages)となります。

出所:決算データより筆者作成

 菓子類では、ポテトチップスやパン、クラッカーなどを製造し、軽飲食類ではスープやサルサ、時短料理キットなどの製造を行っています。

 新型コロナの影響を比較的受けにくい事業を展開しており、今後も安定した業績が期待されています。

競合他社

 競合他社として、食料、ペットフード、飼料、工業、燃料、バイオエネルギー、肥料産業の顧客向けのカスタム化された特殊ソリューションを提供するダーリン・イングレディエンツ(DAR)、アグリビジネス、食用油製品、製粉製品、砂糖とバイオエネルギー、肥料の5つの事業セグメントを展開するブンゲ(BG)、即席シリアルとインスタント食品の製造・販売に従事するケロッグ(K)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年2020年の高値まで戻っていませんが、今年に入ってから四半期配当を6%増加させています。

 昨年は、新型コロナによって家庭での食事機会が増えたことで業績が好調に推移し、新型コロナ発生以降も株価は堅調に推移しました。

 一方、今年に入って、インフレの加速や、サプライチェーンコストの増加が業績に影響を及ぼしたことで、株価は下落しました。

 しかし、元々株価の変動が大きい銘柄ではなく、株価下落によって配当利回りが3%を超える状況となり、配当を目的として保有するのにはよい水準ではないでしょうか。

業績動向

 2021年9月1日開示の四半期決算ではEPS・売上高ともに市場予想を上回りました。

 菓子類・軽飲食類ともに、新型コロナ禍でも業績が好調だった昨年の売上高は下回ったものの、新型コロナ発生前の2019年の売上高はいずれの事業も上回っております。

 今後はミレニアル世代向けに商品イメージを刷新したことや、原料ライン簡素化による生産性の向上などが業績にどのような影響を及ぼすか注目です。

 次回2021年11月23日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 インフレの加速や、サプライチェーンコストの増加を会社側はリスクと考えており、新型コロナがさらに拡大するようであれば、人件費の増加も注視しなければいけないとしています。

株価動向、配当利回り

配当:1.48ドル
配当利回り:3.38%
株価:43.83ドル(約4,800円)

 権利落ち日は10月上旬予定(権利実施は11月上旬予定)です(2021年9月14日時点で未確定。昨年を参照)。

 配当は1.48ドル、配当利回りは3.38%、株価は43.83ドルで約4,800円から購入できます(2021年9月13日時点)。

 2018年以降の最高値は53.84ドル、最安値は32.26ドルです(終値ベース)。

【要チェック】
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