ゴールド相場のフラッシュクラッシュ
祝日で日本のマーケットがクローズしていた8月9日、ゴールド相場でフラッシュクラッシュが起きた。ゴールドにつれる格好でシルバーも急落し、ゴールドのスポット価格は一時4%、シルバーは一時7%も下落する動きとなった。
ゴールドCFD(日足)
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シルバーCFD(日足)
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先週末の米雇用統計が市場予想を上回る強い内容となり、米経済の順調な回復ぶりが示されたことがきっかけとの報道がある。
また、米ダラス連銀のカプラン総裁が、大規模な債券購入が過剰なリスクテークにつながっているとして、FRB(米連邦準備制度理事会)はすぐにでも資産購入のテーパリング(段階的縮小)を開始すべきだとの見解を示したことなども材料視されたと伝えられている。
このフラッシュクラッシュが起きる以前、ゴールド価格のボラティリティは極端に低下していた。
前述の報道にあるような理由というよりも、おそらく流動性が低下していたところにテクニカル的な要因が重なり一時的に激しい値動きを伴う調整が起きたということだろう。
ゴールドのボラティリティは極端に低下していた
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今月末に開催されるジャクソンホール会合において、テーパリングについての何かしらのシグナルが出される可能性がささやかれているが、FRBには主体的にテーパリングに踏み込む余地は残されていないと考える。
もしFRBがテーパリングに踏み出すとすれば、金利を含めた市場動向の混乱によって後追い的なテーパリングにならざるを得なくなるのではないだろうか。
米国は過去にも大きな政策転換に追い込まれたことがあった。50年前のニクソン・ショックである。