日経平均は2週連続下落。「下げ止まるサイン」も出現

 3月相場入りとなった先週末5日(金)の日経平均終値は2万8,864円となりました。前週末終値(2万8,966円)からは102円安、週足ベースでも2週連続の下落です。

■(図1)日経平均(日足)とMACD(2021年3月5日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ると、反発するスタートとなりました。

 1日(月)の取引では、先週に下抜けてしまった25日移動平均線や2万9,000円台を回復、翌2日(火)の高値(2万9,996円)が節目の3万円台に迫るなど、昨年の夏場以降から頻出している「月末にかけて下落し、月初に切り返す」という値動きのパターンを踏襲するような格好でしたが、その後は売りに押されて失速していきました。

 4日(木)には、25日移動平均線と2万9,000円台を再び下抜け、5日(金)はさらに前日比で600円以上も下げる場面も見られました。下段のMACDについても下向きが続いているほか、ヒストグラム(MACDとシグナルの差を棒グラフで表したもの)も下方向に伸ばしており、チャートから受ける印象は前週と比べて改善したとは言えない状況です。

 それでも、5日(金)のローソク足は下ヒゲの長い陽線となっており、「売り圧力を跳ね返した」形ですので、ひとまず下げ止まるサインもあります。

 今週は週末のメジャーSQ(特別清算指数)が控える中で需給的な思惑が絡みやすくなるほか、来週は米FOMC(米連邦公開市場委員会/16~17日)・日銀金融政策決定会合(18~19日)が予定されており、不安定な相場地合いになると思われます。こうした地合いが様子見姿勢となって、膠着(こうちゃく)感を強める展開も想定されますが、上方向と下方向の両方のシナリオを念頭に置きつつ、相場に臨んでいくことになります。