ブルーウェイブで米国のマクロ政策は「バラマキ」
米ジョージア州決選投票で民主党が2勝し、ブルーウェイブが実現した。ねじれはなくなり、マクロシナリオは、「デフレ」から「バラマキ」へと変容する。
バイデン政権は「大きな政府」を標榜しており、体制的には中国型の国家資本主義へ向かう。結局のところ、中国の特徴を持つ社会主義と中国の特徴を持つ資本主義は同じものになるだろう。
財政出動と給付金バブルで第一四半期は株高シナリオが濃厚となってきたが、「バラマキという劇薬を使った薬物依存相場はいつまで持続可能か?」が、今後の焦点となる。
選挙結果と米国のマクロ政策
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株高シナリオの一方で、ドル相場は大幅な下落が懸念されている。シティバンクは、ジョージア州の上院決選投票結果を受けて、「財政出動の規模拡大やドル建て資産のヘッジの見通しが強まるなど、ドルの悪材料とわれわれが以前に特定したほぼ全ての要因に弾みがつく」(7日 ブルームバーグ)と指摘し、予想していたドルの20%下落リスクを高めるとコメントしている。
FRB(米連邦準備制度理事会)はドルを破壊するのか?ドルの価値はどんどん下がっている
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ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが述べたように、「信用拡大でもたらされた好景気は、結局のところ崩壊するのを避ける手段がない。残された選択肢は、さらなる信用拡大を自ら断念した結果、すぐに訪れる危機か、ツケを積み上げた結果、いずれ訪れる通貨制度を巻き込んだ大惨事かだけ」である。
FED(連銀)の無限大量的緩和や世界の中央銀行が解き放った歴史的な20兆ドルのQE(量的緩和)は、金融政策の社会主義化と両建て経済というポンジスキームを恒常化させてしまった。
FEDのバランスシート
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歴史大局観からいえば、現在の社会情勢は、世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーターアソシエイツ」の創業者であるレイ・ダリオのサイクル分析通りに進んでいるように思われる。
今、我々がいるのは、「Printing Money and Credit(紙幣の大増刷と信用創造)」の時代である。その後どうなるかは、下のレイ・ダリオの「帝国のサイクル」で確認していただきたい。
帝国の背後にある大きなサイクル(レイ・ダリオ)
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中国の台頭…1930年代とよく似ている
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