個人の運用スタイルはどうしたらいい?

「グロース」と「バリュー」が二大運用スタイルだとして、個人はどちらを選んだらいいのだろうか。或いは、思い切りの悪い機関投資家を真似して「GARP」を標榜するのがいいのか。

 大まかに言って、儲かっているときに楽しくて、より大きな全能感を得られるのは「グロース」の運用スタイルだろう。企業を分析して、ビジネス評論を楽しみたい向きにも良さそうだ。

「グロース」の運用方法としての弱点は、見通しが外れた場合の株価下落が概して大きいことと、ポートフォリオの回転率が高くなりやすいことだ。

 逆に、「バリュー」は、じっくり運用したい向きには手掛けやすいし、保有銘柄の株価が下落したときにはバリュー度合いがより高まることが多いので、そのまま持ち続けられる場合が多い点で手間が掛からない長所がある。

 敢えて、どちらかを勧めよというのであれば、実行しやすい点で「バリュー」の側をお勧めするが、前述のように原則論としては、どちらが有利だという訳ではない。

 もう一歩進めて「結論」を出すなら、「どちらが有利か分からないなら、両方に賭けを分散するのが良い」という投資の原則に従って、「グロース」も「バリュー」も両方持って分散投資しておくのがいいと言える。

 運用が仕事でも趣味でもないなら、投資スタイルを無理に決める必要はない。

「趣味なのです!」という読者には、また別の機会に投資スタイルの楽しみ方をお伝えしたいと思っている。