裁定売り残に表れる、投機筋の日経平均先物「空売り」の動向
東京証券取引所が発表している「裁定売り残」の推移から、日経平均先物に「踏み上げ」が起こっていることが読み取れます。
詳しく説明すると難解になるので、説明は割愛して結論だけ述べます。東京証券取引所が発表している「裁定売り残」の変化に、投機筋(主に外国人)の日経平均先物「売り建て」の変化が表れます。
売り建てが増えると裁定売り残が増え、売り建てが減ると裁定売り残が減ります。以下をご覧ください。
日経平均と裁定売り残の推移:2018年1月4日~2020年11月24日(裁定売り残は2020年11月13日まで)
11月13日時点で、裁定売り残は、1兆7,589億円もあります。投機筋(主に外国人)が、日本株に弱気で、日経平均先物の売り建てを積み上げていることがわかります。
ただし、11月に入ってからは減少してきています。投機筋(主に外国人)が少し先物を買い戻していることがわかります。
注目いただきたいのは、上のグラフに、矢印を書き込み「踏み上げ」と書いてあるところです。3カ所あります。2019年10~12月と、2020年6~8月、2020年11月です。
すべて、日経平均が大きく上昇した後、裁定売り残高が減少しています。ここで、「踏み上げ」が起こっています。
日経平均が下落すると予想して売り建てを積み上げていた投機筋(主に外国人)が、日経平均がどんどん上昇していくため、損失拡大を防ぐために先物の買い戻しを迫られたと考えられます。