買い時や売り時をじっくり待てる人が勝てる
──反対に、成功しやすいタイプはどんな人ですか。
今、話したことの裏返しになります。つまり、さまざまな情報やデータに基づいて総合的な判断を下せる人、そのときどきの状況を見ながら柔軟に対応できる人、万が一のことを想定して行動できる人……。
──なるほど。
それともう1つ、じっくり待てる、ということも重要かもしれません。
──どういうことですか。
株でも何でも「買い時」というのがあるんです。僕自身は、一番の買い時は暴落時だと思っていますが、それは1年のうち、何度かしかありません。
つまり、買いたい銘柄があっても我慢し、暴落時を待つ。それができる人が勝てるように思います。
──なるほど。特に難しいことではない、という気もします。
それがそうでもないんです。なぜなら、投資家というのは、常にポジションを持っていたいものです。いつどんなときも何かを保有していたい。
何も持っていないときに、経済情勢が好転して株価が上がったりすると、みすみす稼ぐチャンスを逃すことになりますよね。それが嫌なんです。だから、待つことができず、つい買ってしまう。
──その気持ちを抑えられるようにならないと勝てない、ということでしょうか。
僕はそう思います。
──買い時と同様、売り時を待つのも大事ですか。
はい、もちろんです。
──売り時は、待てばいいというものではないように思います。もっと上がるだろうと待っているうちに下がることもあれば、もうそろそろ上がるだろうと待っていてもどんどん下がることもありますよね。
そうですね。ただ、買った銘柄が下落したときに関しては、皆さん、売るのが早すぎるように思います。
このままどんどん下がるのではないかと恐怖に駆られるのはよくわかります。今のうちに損切りして、被害を最低限に抑えようとするのも当然でしょう。でも、怖いからと売る前に、他の手段も検討してみるべきではないでしょうか。
──そういうとき、例えばどんな手段がありますか。
ナンピン(購入後に値下がりしたとき、同じ銘柄を買い増しして平均購入価格を下げること)もその1つでしょう。その後、株価が上昇すれば、より大きな利益を得られますから。
──ナンピンは絶対にしないという投資家も少なくないように思います。
ナンピンがいいか悪いかは、投資スタイルなどにもよります。だから、僕も誰彼かまわず勧めるつもりはありません。実際、初心者にはリスクが大きいかもしれない。ただ、少しでも下がったら売るというのは、あまり賢明ではないと思っています。
──なるほど。ときには売りたい衝動を抑えることも大事なのですね。次回は、これから投資を始めたいという人に、具体的なアドバイスをお願いしたく思います。
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