20年7-9月は粉ミルクなどの堅調で5%増収、米企業買収でペットフード参入へ

現地コード 銘柄名
01112

健合国際控股

(ヘルスアンドハピネス・インターナショナル)

株価 情報種類

30.95HKD
(11/5現在)

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 健合国際の20年7-9月期決算は前年同期比5.3%の増収となり、部門別では、乳幼児用の栄養食品・ケア製品(BNC)事業、成人用の栄養食品・ケア製品(ANC)事業の売り上げが為替変動要因を除く実質で、それぞれ同4.1%、7.2%の伸びだった。同社全体の売上高はほぼBOCIの予想通り。うち主力のBNC部門では、粉ミルクの売り上げ伸び率が13.2%(上期は同2.6%減収)に達する半面、プロバイオティクスサプリメントの34.7%の減収(上期は45.4%減収)が足を引っ張った。地域別では中国本土が8.4%増収と堅調で、ANZ(豪州とニュージーランド)市場の減収率も17.3%と、上期の35.8%減から縮小した。一方、同社は米国のペットフード大手、Solid Goldを総額1億6,300万米ドルで買収すると発表。乳幼児、成人に続き、ペット向けという第3の領域に歩を進め、水平型の事業体系を構築する戦略をうかがわせた。BOCIは段階的な業績回復や新規のビジネス構想が10-12月期以降の楽観見通しにつながるとして前向きに評価。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

 部門別にみると、乳幼児向けのBNC部門の売上高は7-9月に前年同期比4.1%増、1-9月では同6.9%増。ネット通販売り上げの伸びや免疫力強化をうたった商品の需要急増が寄与した。また、上期に減収だった粉ミルク事業も、ベビー用品専門店という販路の拡充(取扱店が6月末の4万1,134店から9月末には4万4,991店に増加)や顧客囲い込み活動の強化、新商品の投入などを背景に、7-9月にプラス成長に転じた。半面、プリバイオティックサプリは苦戦したが、これは1-3月の在庫補充の動きと、7月の値上げに先立つ4-6月の駆け込み出荷を経て、需要が“正常化”したため。BOCIは消費者の健康志向の高まりを理由に、長期的には需要が回復するとみている。

 成人向け商品のANC部門を見ると、1-9月の売上高は中国本土で23.9%増、ANZで31.6%減、その他海外市場で1.6%増。傘下の豪サプリメントブランド「Swisse」は9月末までの12カ月間、中国の越境EC売り上げでトップを維持した。国内では保健食品表示「藍帽子」の認定を受けたことが、この先、ドラッグストアなど一般販路への浸透を後押しする見通しという。一方、ANZでは一部のロックダウンや移動制限にもかかわらず、7-9月に減収幅が縮小。BOCIは豪州、ニュージーランド両国における新規の感染事例が10月以降ほぼ一桁台にとどまっている点に言及し、今後の移動制限緩和に伴う現地ビジネスの急回復を予想している。

 BOCIは販売費に関する想定値を微調整した上で、20-22年の予想純利益を2-3%増額修正。引き続き21年予想PER(株価収益率)15.0倍をあてはめ、目標株価を引き上げた。潜在的なリスク要因としては◇プロバイオティックサプリの売れ行きやANZ市場の回復ペースが予想を下回る◇政策面で逆風が生じる◇中豪関係が一段と緊張する点を挙げた。