まずは上昇相場の兆しをいち早く察知すること

 上昇相場に乗り遅れたときの主な行動パターンのメリットやリスクを説明しました(上昇相場に乗り遅れたと思ったら?)。でも、上昇相場の初期段階で上昇相場であることを察知し、安値で買っておくことができれば、悩む必要もなくなるわけです。そのためにはどうすればよいか、筆者なりの方法をご紹介します。

 上昇相場入りしたとなれば、どこかに何らかのサインが見つかるはずです。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった株価指数に底入れの兆しが見えたり、騰落レシオが底打ち・反転となったりします。また、新興市場株が本格的に上昇するような上昇相場であれば、マザーズ指数など新興市場の株価指数が底入れします。こうした「上昇の兆し」を見つけるために、まずは定期的に、できれば毎日、最低でも週1回は株価指数の株価チャートや騰落レシオをチェックしておく必要があります。

次に上昇相場の「中心的存在」を見つけ出す

 次に、その上昇相場での「中心的存在」をいち早く見つけ出すことが重要です。
 一口に上昇相場といってもいろいろあります。2020年4月以降はコロナにより業績向上が期待される中小型成長株やIT関連株が大きく値上がりしましたが、それ以外はリバウンドの域を出ていません。
 2005年や2009年3~6月頃のように、ほぼすべての銘柄が大きく上昇する全面高相場もあれば、2000年前後のITバブル相場のように、一部のネット関連銘柄だけが大きく買われる反面、内需系中低位株をはじめ安値を更新し続ける銘柄も多く出現する、といった爬行(はこう)色の強い上昇相場もあります。値がさハイテク株が大きく上昇する上昇相場もありますし、中低位株が軒並み何倍にも跳ね上がる上昇相場もあります。特に全面高相場以外の上昇相場では、テーマに合致した銘柄へ投資しないと、一向に利益をあげることができなくなってしまいます。
 上昇相場のテーマは、他の銘柄に先行して上昇している銘柄の共通点から導き出すことができます。したがって、どんな銘柄が上昇しているのかをいち早く察知するために、まず上場銘柄を、業種・市場などが偏らないよう100銘柄ほどピックアップしておきます。それらの銘柄を、同じような値動きをしやすいいくつかのグループにまとめ、株価の動きを定期的に観察しておくのです。