転職 Hack4 変化に柔軟な企業を選ぼう

 転職を成功させるには、業種だけでなく、企業をしっかり選ぶことも重要です。コロナ禍の今、転職してもいい企業を見極めるポイントはどこにあるのでしょうか。

「端的に言えば、変化への対応です。例えば、コロナ禍でスムーズにリモートワークに移行できている企業ならば、コロナ前から働き方改革も含めた時代の変化に対応できていると判断できます。同じ業種のなかでも、変化に柔軟な企業を選ぶことが重要。知名度や企業規模が大きくても、固定観念の強い旧態依然とした企業だと、転職できたとしても先細りの可能性があります」

 変化に柔軟かどうかは、入り口である採用時の対応に如実に表れます。

「オンライン面接を実施しているかどうかはもちろん、在宅勤務が何割くらいか、社内のITインフラやオフィスの在り方を確認するのも、変化への対応力を見極めるポイントです。私のところへ転職の相談に来た方のなかには、すべての面接がリアル面接で行われるのを知り、その企業の面接を辞退した方もいました」(藤井氏)

転職 Hack5 多角経営の企業を狙おう!

 会社の経営方針をチェックする際、新しいことに常に挑戦しているかどうかも重要なポイント。専業企業ではなく、他業種参入や経営の多角化に積極的な企業への転職は、よい選択肢といえます。

「軸足が多ければ、特定業種の業績が落ちても、他の業種での収益でカンパニー全体をカバーできます。また、新規事業立ち上げの経験などがある方は、そこを重点的に売り込めば、今後の事業展開を見越して採用される可能性も高まります。入社したあとに別部門に異動することになっても、新しいことに挑戦できるチャンスと、前向きにとらえていくとよいでしょう。また、多角化企業の良い点は、働き方が変わっても社内に受け入れ先があること。転職後、諸事情で働く環境が変わっても、他の事業への異動でライフワークバランスを調整するなどして、長く働ける可能性も高まります」

転職 Hack6「なくならないビジネス」を狙おう!

 時代ごとに経済にもトレンドがあり、現在は盛況でも、今後も盛況が続くかどうかは断言できません。しかし、大きく儲かることはないけれど、時代が変わっても「決してなくならない業界」を狙うのも一つの手です。

「例えば教育関連の産業は、少子化となっても、経済が悪化しても、今後も業界としては消滅しません。そうした業界に転職し、長く堅実に働き続けることも選択肢の一つ。さらに農業関連の産業も消えることはありません。しかし、この場合でも、オンラインへのシフトやIT技術の活用などにしっかり対応できているかを見極める必要があります」(藤井氏)

転職 HackIターン/Uターンで実質生涯年収をアップさせる!

 テレワークで働く場所自体も限定されなくなった今、都会で働くというこだわりを捨てるという方法有効です。

「決まった場所に出勤しなくても仕事ができる今、都会を捨てて地方を選択するのも有効。地方にもニッチな業種で利益を挙げている優良企業や、地域に根付いた堅実な企業は多数あります。今後伸びていきそうな産業が根強い地域などに転職すると、多少年収が下がっても、家賃や生活費が安いぶん、実質的な年収アップにつながる可能性もあります。Iターン/Uターンを優遇している自治体も多いため、働く場所自体を考え直すことも良い選択だと思います」(藤井氏)

転職 Hack8 自分自身も「こだわり」を捨てる!

 企業側だけでなく、転職者の側にも、柔軟性や変化への対応力が求められている、と藤井氏はいいます。

「働く側も“この職種でないと嫌だ”、“今以上のポジションでないと嫌だ”など、こだわりを捨てたほうが、転職も、働き方も、うまくいきます。例えばベンチャー企業などを選択し、一時的に年収は下がっても、将来性がある企業を選んだり、将来の独立を見据えて、自分にとって有益な経験が積めそうな企業を選ぶといった戦略的転職もありです」(藤井氏)

 コロナ禍の転職においては、転職する業種や企業を選ぶうえでも、転職活動を成功させるうえでも、「変化への対応力」をキーワードに見極めていく必要がありそうです。