その3:医療費負担が年間10万円を超えたら、医療費控除で税金が安くなる!

 1年間の医療費の負担が10万円を超えた場合、超えた金額を所得額から差し引く(控除する)ことができます。これを医療費控除と言います。医療費控除されるとその分税金が安くなります。

医療費控除の対象になる金額は?

 医療費控除の対象になる金額は、1月1日から12月31日までに支払った医療費から生命保険の給付金や健康保険からの手当てなどで補てんされた金額と10万円を引いた金額で、上限が200万円となります(ただし、総所得が200万円未満の人の場合には、10万円の代わりに総所得の5%を引いた額が対象)。

 医療費控除の対象になる例を算出します。

(1)入院費用が100万円かかり、高額療養費制度により30万円が支給され、生命保険から保険金が30万円出た場合

(医療費控除できる金額)30万円=100万円-30万円-30万円-10万円

(2)出産で55万円かかり、出産一時金42万円を受け取った場合

(医療費控除できる金額)3万円=55万円-42万円-10万円

 高額療養費制度を利用し、生命保険などで補てんされるものがあってもなお、1年間の医療費の自己負担が10万円を超えた場合には、医療費控除で税金を安くすることができ、経済的負担をさらに軽減させることができます。