騰落率:非常時の“新たな期待の置き所”か!?他銘柄よりも比較的大きく上昇

 以下は、暗号資産、主要株価指数、通貨、コモディティ(商品)の4ジャンルの合計12銘柄の年初来の騰落率です。この中で年初からの上昇率が最も高かったのは、イーサリアムで、次がビットコインでした。

 先ほどは、暗号資産と主要株価指数と通貨の価格推移を確認しましたが、コモディティ(商品)を加えた騰落率からも、この半年間の暗号資産の上昇が目立ったことが確認できます。

図:ビットコインとイーサリアム、各種銘柄の騰落率 (2020年1月6日と6月23日を比較)

出所:楽天ウォレットおよび、マーケットスピードⅡ、同CXのデータをもとに筆者作成

 この半年間、世界の幅広い地域に新型コロナウイルスの感染が拡大しました。2月半ばから3月に半ばにかけては、たくさんの金融商品の価格が急落した“新型コロナショック”が発生しました。まさに未曽有の、人類が経験したことがない半年間だったわけです。

 この間、世界景気が悪化して消費が減少したことから、原油や天然ゴム、プラチナやパラジウムなどの原材料・素材の価格が下落しました。そして、景気悪化を受けて、一部の主要株価指数も下落しました。

 一方、イーサリアムは+68.6%、ビットコインは+24.8%、上昇しました。大規模な景気悪化が進行して、多くの銘柄が下落した中で、目立った上昇を見せた暗号資産は、投資家たちの“新たな期待の置き所”として、物色された可能性があります。

 危機が発生している時は特に、暗号資産は一目置かれる存在なのだと、考えられます。