2万3,000~2万4,000円の範囲を上抜けるには?

 とはいえ、2万3,000円台乗せから上値を伸ばせなかったこともあり、前回のレポートでも指摘した、株価水準感への意識も根強いと言えます(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の動き(2020年6月12日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 チャートを過去にさかのぼると、日経平均は昨年11月から今年の2月中旬までのあいだ、3カ月以上にわたって大体2万3,000~2万4,000円の範囲でもみ合いながら天井圏を形成しており、戻り待ち売りや利益確定売りが出やすい価格帯になります。

 この価格帯を上抜けるには、1)勢いに乗って強引に押し通すか、2)新たな買い材料が出てくるか、そして、3)スピード調整で次の相場に向けたエネルギーを蓄えることなどが必要になるわけですが、先週の値動きを踏まえると、1)の勢いで押し切るのはやや難しくなってきたのかもしれません。もちろん、2)が出てくれば勢いを取り戻して上値トライもあり得ますが、出たとこ勝負の面があるため、現時点の可能性として残るのは3)のスピード調整です。

 一般的にスピード調整には、「値幅調整」と「日柄調整」のふたつがあります。先週の下落局面を値幅調整と捉えるのであれば、今週はまず下げ止まりを確認し、値幅調整の終了を見極めて、日柄調整によるもみ合いがしばらく続くのではと考えるのが自然です。

 したがって、レンジ内での株価の上げ下げで利益をねらいにいくのであれば、2万3,000円あたりまでの戻りを見越して押し目買いを入れる、もしくは最近までの株価上昇の勢いを信じるのであれば、余力を残しつつ、打診買いを入れてみるのも選択肢です。