投資指南書が言う損切りは当たり前じゃない!下落相場で積み立て投資の対処法がある

 あなたが、個別株式で投資スタート、あるいはそうした投資本を読んで育った個人投資家であれば、「損切り」という概念はご存じでしょう。

 取得価格より株価が下落した場合、どこかで見切りをつけて手放すことを「損切り」といいますが、これは、投資の基本テクニックとして説明されています。その理由を挙げてみます。

・値下がりをした銘柄が株価を回復するまでには長い時間を要することが多く、それまで評価損を抱えた状態が続く

・人は自分の失敗を素直に受け止められないので、「すぐに株価は戻る」などの非合理的な判断を下してしまい、株価はさらに下がりがちである

・塩漬け状態となった資金を他の株式購入資金に充てるほうが、資産運用の資金効率が良くなる

・値上がりを期待する理由が消滅しているため、保有する理由が失われており、手放したほうがいい

・損失には税金がかからず、また同一年で生じた利益と損益通算もできる(NISA[ニーサ:少額投資非課税制度]などは除く)

 これらは個別現物株式や信用取引で投資をしている場合には考慮してもよいのですが、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどの積み立て投資に限っては、この損切りルールを採用しないほうがいいと思います。

 では、私があえて損切りという投資の「常識」について異議を唱える理由は何かお分かりでしょうか。