2040年に「武蔵小杉」は人口減少へ

 3つの「ムサコ」が今後、どのようなポテンシャルを持っているのか、将来人口の推移から見ていこう。まず品川区(図表6)は、今後も徐々に人口は増え続け、2040年には440,336人になると予測されている。2015年を100とすると、2040年は113.8となり、不動産市場にも好影響が期待できる。

[図表6]品川区の将来推計人口

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」

 次に小金井市(図表7)だが、2030年の125,177人をピークに減少へと転じ、2040年には124,038人になると予測されている。2015年を100とした際には、2040年には102となり、居住者ニーズをいかに捉えるかが不動産投資のカギとなるエリアといえる。

[図表7]小金井市の将来推計人口

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)

 最後に川崎市中原区(図表8)だが、今後も人口は増加し、2040年には277,240人に達すると予測。2015年を100とした際、2040年は112となり、不動産市場においても好影響が期待される。しかしここが人口のピークでその後は減少局面に入るといわれているので、注意が必要だ。

[図表8]川崎市中原区の将来推計人口

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)

まとめ 

 今回3つの「ムサコ」を不動産投資の観点で見てきたが、都心から近い武蔵小山が不動産マーケットにおいて頭ひとつ抜けているといえるだろう。また急激に人口が増加している武蔵小杉も注目である。しかし2040年以降は人口減少の局面に入ることのほか、もうひとつ注意すべきことがある。それは武蔵小杉エリアの急激な人口増加の反動である。

 現在、武蔵小杉ではファミリー層が増えているが、この先、「ムサコ」のなかでは最も高齢化が進む地域だと予測されている。2015年の75歳以上の人口を100とした際、2045年に武蔵小山は141、武蔵小金井は164であるのに対し、武蔵小杉は183に達する。

 急激な高齢化への対応が、武蔵小杉での不動産投資の成否を握っているといえるだろう。

(GGO編集部)

※この記事は2019年8月30日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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