2018年のパフォ-マンスの良かった5社を抽出

 パフォーマンスの良かった大型株にも分散投資すべきと考えます。業績モメンタムの良好な銘柄が多いからです。

東証1部「コア30」:2018年の株価上昇率上位5社

順位 コード 銘柄名 上昇率 配当利回り
1 9022 JR東海 14.8% 0.6%
2 4452 花王 7.0% 1.5%
3 6758 ソニー 4.8% 1.8%
4 3382 セブン&アイHD 2.1% 1.9%
5 8766 東京海上HD 1.8% 4.7%

出所:楽天証券経済研究所が作成
配当利回りは、今期1株当たり年間配当金(会社予想)を1月7日株価で割って計算。下落率は2017年末株価から2018年末株価までの変化

 2018年は、ディフェンシブ株のパフォーマンスが良かった年でした。JR東海、花王、セブン&アイは代表的なディフェンシブ株です。以下、簡単にコメントします。

上昇率トップのJR東海は、最高益を更新するディフェンシブ株として評価

 新幹線の利用拡大によって、最高益更新が続いています。外国人観光客の増加、観光ブームによって、新幹線が成長事業となっています。

 JR4社は、前期(2018年3月期)にいずれも最高益を更新しましたが、今期(2019年3月期)は明暗が分かれます。西日本豪雨や地震の影響で、JR西日本、JR九州は減益となる見通しです。ただし、JR東海とJR東日本は今期も最高益を更新する見込みです。来期以降も最高益の更新が続くと予想しています。

 JR東海は長期投資対象として申し分ありませんが、短期的な株価上昇期待はありません。昨年、日経平均が下落する中で逆行高したからです。日経平均が反発する局面で、株価上昇を期待するならば、売り込まれた景気敏感株へ乗り換えた方が良いと思います。

上昇率第2位花王はアジアで成長

 花王は、中国などアジアで生活雑貨の販売が拡大し、最高益を更新しつつあります。同じ「中国関連株」でも、ファナックのような設備投資関連株は業績が悪化していますが、消費関連株である花王は業績好調を維持しています。

 株価に割安感はありませんが、ディフェンシブ株として長期投資するには適格と考えます。

上昇率第3位ソニーは、構造改革に成功して最高益更新へ

 ソニーは景気敏感株の代表でしたが、構造改革によって安定的に高収益をあげられる体質に変わってきました。ゲーム、映画、音楽などが安定収益として期待されます。半導体(画像センサー)も長期的に収益を稼いでいくと期待されます。

 来期以降の業績拡大を期待し、積極的に投資していく価値があると考えています。

上昇率第4位セブン&アイは海外で成長

 国内コンビニ事業の成長性が鈍化していることが懸念されますが、海外(米国)コンビニの成長によって、最高益を更新しつつあります。今年10月に消費増税(8%→10%)が予定されていますが、持ち帰りの食品には軽減税率が適用される見込みなので、相対的に優位と考えています。消費増税のある今年の小売りセクターのコア銘柄として、投資していく価値があると考えています。

 リスクは、百貨店(そごう西武)と、スーパーストア(イトーヨーカ堂)の構造改革がまだ道半ばであることです。百貨店は、消費増税のダメージが相対的に大きくなりそうです。

上昇率第5位東京海上HDも、海外で成長

 M&A巧者で、海外で有利な価格で巨額買収を実施し、海外収益を拡大させてきました。配当利回りが高い、海外で成長する金融株として、積極的に投資する価値があると判断しています。

 

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