「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第29回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
今日のクイズ:A社株のチャートを見てすぐ買ってもいい?
下の図は、いつか買いたいと思っているA社の株価チャートです。
すぐ買ってもよいでしょうか? 株価チャートを見て判断してください。
<A社チャート:過去1年3カ月の株価・売買高の週次推移を示している>
![](/mwimgs/b/1/-/img_b11ca0432599c145a60c234c259fb18634931.png)
長期の資産形成でも、個別株を買うときはチャートを見ましょう
先週・先々週に続き、今週も株価チャートから投資判断を考えるクイズを出しました。
「短期トレードをしようとしているわけではなく、長期でじっくり投資しようとしているのに、チャートまで見る必要あるの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
確かに、読者の皆さまが日経平均インデックスファンドなどに積立投資をするなら、必ずしもチャートまで見ないでよいと思います。短期的な上昇下落は気にせず、毎月3万円など一定額を淡々と積み立てをしていけばよいと思います。
ただし、個別銘柄に投資する場合は、話が別です。投資する前に、株価チャートは見てください。今にも崩れ落ちそうなチャートのときは、すぐに買わないで、様子見をすべきです。すぐにも上がっていきそうなチャートのときは、早めに買った方がよいと思います。
といっても、テクニカル分析の分厚い教科書を勉強する必要はありません。ぱっと見て直感で判断してください。チャートを見て感じたことに素直に従ってください。
この後、クイズ正解の後に、テクニカル分析の詳しい解説がありますので、そこを読んで勉強してください。
テクニカルの投資判断は100%当たるとは限らない
A社は、実在のチャートをモデルとして作成しています。ファンドマネジャー時代に私が実際に売買した銘柄です。この時、A社のファンダメンタルズ判断では迷うこともありましたが、このチャートを見て、私はある行動を起こしました。
もちろん、チャートを見たからといって、判断が100%当たるとは限りません。チャートに出ているのは、A社株の需給です。「今、A社株を売りたい投資家と買いたい投資家のどちらが多そうか」を、チャートを見て推測するだけです。
A社株の動く方向を決めるのは、最終的にはA社のファンダメンタルズです。ただし、短期的には需給で動きます。需給状況を表す、株価チャートはしっかり見た方がよいと思います。